SUM-TM0m0© による解析計算手順

この度は、SUM-TM0m0© 解析計算クラウド利用契約に正式にお申し込みいただき有難うございます。

円柱試料より直径が短いもしくは細い角柱の 棒状試料[石英ガラス etc.]の軸方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】 の測定を行う際には、
棒状試料[サンプル]を挿入する前と挿入した後の間で摂動共振器に生じる共振周波数およびQ値の変化をベースに誘電特性の解析計算を行う、摂動法[Resonant-perturbation method]が一般的に用いられます。
摂動法の解析計算アルゴリズムである摂動公式は、試料[サンプル]挿入前と挿入後の状態間において共振器内の電磁界分布に何ら変化がなく全く同じ条件であることを前提に成立しております。
また摂動公式では、試料を装荷するために構造上必要となっている共振器の挿入孔部分の空隙[Air gap]の悪影響によって測定結果値が真空の比誘電率=1に近づいて低くなり誤差を生む点が考慮されておらず、
この点が従来の摂動法の測定限界として、近年問題視されるようになってきております。
したがいましてこうした状況の中、
摂動法[方式]空洞共振器が具備する挿入孔の直径寸法と試料(サンプル)の径寸法の差の影響によるこれら測定誤差を補正して比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算することが、
IEC国際標準規格準拠レベルの低損失誘電体材料の高精度測定の世界では極めて重要なファクターとなっております。
SUM-TM0m0©は、お客様が現在使用中もしくは利用中の摂動法(方式)誘電率測定システムを用いて過去に測定した低ロス開発品サンプルのマイクロ波帯誘電特性データの正確さについて抜本的な精度見直しと評価を行う上で、
最新の基準となる厳密解析計算アルゴリズムを搭載しているソフトウェアです。
国際規格 IEC 62810 Ed.1.0:2015 準拠

SUM-TM0m0© 解析計算クラウドの利用による、マイクロ波帯[1GHz-10GHz]における低損失誘電体材料の誘電特性の抜本的な精度見直しと評価に使用できるお手持ちの現行モデルまたは旧モデルの計測器[ネットワークアナライザ]と、
棒状試料[サンプル]の軸方向のマイクロ波帯誘電特性データの正確さを保証できるだけの共振性能を有しているかどうかについてクラウド厳密解析計算によって実検証すべきご使用中の共振器タイプに関する情報は、
以下の通りです。

計測器[ネットワークアナライザ]

キーサイト・テクノロジー[Keysight Technologies]製 現行モデル(PNAシリーズ、ENAシリーズ、FieldFox)/ 旧モデル(アジレント・テクノロジー 製 8719 / 8720 / 8722、アジレント・テクノロジー 製 8753 / 8757D、HP製 8510シリーズ)
アンリツ[Anritsu]製 現行モデル(VectorStarシリーズ、ShockLineシリーズ、VNA Masterシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
ローデ・シュワルツ[R&S]製 現行モデル(ZVAシリーズ、ZNBシリーズ、ZVTシリーズ、ZNDシリーズ、ZVLシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
その他、メーカー製

共振器タイプ

各メーカー製 摂動法[方式]空洞共振器

また、これらいずれかの計測器[ネットワークアナライザ]と共振器を用いて、
ご使用中の計測器と共振器の正確さの検証 → マイクロ波帯における棒状試料の軸方向の誘電特性データの抜本的な精度見直しチェック → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 → 解決プランの明確化 を進める手順は
以下の通りです。

  1. 全体のワークフロー

  2. SUM-TM0m0による解析計算手順の流れ 1

    SUM-TM0m0による解析計算手順の流れ 2

    SUM-TM0m0による解析計算手順の流れ 3

  3. 上記のIEC国際標準化された測定方法を、以下の作業手順にしたがって着実に実行することにより、
    ご使用中の計測器・共振器の正確さの検証と、棒状試料[石英ガラス etc.]の軸方向の誘電特性データの抜本的な精度見直しチェックを実現することができます。
    1. お手持ちの計測器[ネットワークアナライザ]の校正を行います。
      1. まず始めに、お手持ちのネットワークアナライザ本体に対して校正[Calibration]作業を行うことによって、計測器の現在の状態の正確さについて確認し検証を行う必要があります。
        * 各メーカー別・各機種毎に定められた手順にしたがって、所定の機械式校正キットもしく電子校正(ECal)キットを使用して、以下のパラメータを設定した状態でSOLT校正を行って下さい。
         
        1. 校正周波数範囲(Frequency Range): 300KHz〜14GHz
        2. IF帯域幅(IF Bandwidth): 5KHz
        3. ポイント数(Number Of Points): 801pts
      2. SOLT校正作業が終わりましたら、次に以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を機械式校正キットのThruコネクタで接続します。

        Thruコネクタ接続外観写真 4

        続けて校正作業を終えたお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているS21 透過(伝送)特性およびS11(反射)特性それぞれの周波数応答波形と、
        以下の基準となる校正に成功した状態の周波数応答波形との間に、形状の見た目にずれがないかどうか比較して下さい。

        ThruコネクタS21校正基準波形 4      ThruコネクタS11校正基準波形 4

        《この時点で、[計測器の正確さに関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、同軸ケーブルまたは同軸コネクタなどの伝送系、もしくはお手持ちのネットワークアナライザの校正状態に異常があると予想されますので
           ご使用中の計測器メーカーもしくは校正サービス会社へ相談されることをお勧め致します。》
      3. 次に可能であれば以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を直結します。

        同軸ケーブル直結外観写真 4

        続けてお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているご使用の同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性を示す周波数応答波形と、
        以下の基準となる同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性の周波数応答波形[拡大表示のため1dB/Div にてスケール設定]との間に、
        形状の見た目に大きなずれがないかどうか比較することをお勧めします。

        高品質同軸ケーブルS21校正基準波形 4

        《この時点で、[伝送系に関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、ご使用の同軸ケーブルもしくは同軸コネクタの伝送系に問題があると予想されますので、これらをチェックされることをお勧め致します。》
    2. 比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】について精度見直し評価したい棒状サンプル[この場合、石英ガラス]の、寸法【直径 D (mm)】を測定します。
      また、お手持ちの共振器[摂動法(方式)空洞共振器]の寸法【空洞の内径D (mm) 、空洞の内径高さ H (mm)】を、設計図面などから予め把握しておいて下さい。
      * 以下の外観写真を参考にして、マイクロメータを使って直径 D (mm)の測定を行って下さい。
    3. マイクロメータ寸法測定の外観写真

    4. 計測器[ネットワークアナライザ]の校正と棒状試料[サンプル]の寸法の測定を終えましたら、
      いよいよ国際標準規格の厳密解析計算処理に基づく、共振器の正確さの検証と、当サンプルの軸方向の誘電特性データの抜本的な精度見直しと評価を実現するための前提条件が揃います。

       
      まず始めに、以下の手順にしたがってお手持ちのパソコンにインストールした利用者クライアントソフト【vSphere Client】を起動して当解析計算クラウドへユーザー認証ログオンし、
      続けて仮想デスクトップPCにログオンします。
      1. お手持ちのパソコンのデスクトップ上の VMware vSphere Client のアイコンをダブルクリックして、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のログイン画面を起動します。
        1. IP アドレス/名前: www.sumtec-cloud.net
        2. ユーザー名: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザー名
        3. パスワード: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザーのパスワード

        を入力し、続けてログインボタンをクリックします。


      2. vSphere Client ログオン 1

      3. クラウドユーザー認証ログオンを終えて、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のホーム画面が表示されます。
        左部分のナビゲータ上には、親インベントリ名を示す "www.sumtec-cloud.net" のアイコンが表示されます。+ボタンをクリックして、親インベントリを展開します。

      4. vSphere Client ログオン 2

      5. 親インベントリの下に、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのアイコンが表示されます。
        仮想デスクトップPC名 "****_Windows7Pro" を右クリックし、次にメニューより "コンソールを開く" をクリック選択します。

      6. vSphere Client ログオン 3

      7. しばらくすると、お手持ちのパソコンのデスクトップ最前面に、仮想デスクトップPCのコンソール画面が表示されます。
        続けてコンソール画面内の黒い部分をクリックします。

      8. vSphere Client ログオン 4

      9. クリック後すぐに、黒いコンソール画面が、仮想デスクトップPCのWindowsログオン画面の表示に切り替わります。
        初期設定では、コンソール画面は全画面表示モードではありません。
        非全画面表示モードのままでは一連の作業を行う際に操作性が良くないので、コンソール画面の表示メニューをクリックし、次に "フルスクリーンへの切り替え" をクリック選択します。

      10. vSphere Client ログオン 5

      11. 全画面表示モードへ切り替える旨を確認するためのポップアップウインドウが表示されます。次にOKボタンをクリックします。

      12. vSphere Client ログオン 6

      13. お手持ちのパソコンのデスクトップ画面の全ての領域が、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのコンソール画面によって完全に覆い隠されます。
        仮想デスクトップPCの日本語OSには Windows 7 Pro、また英語その他の外国語OSには Windows 7 Ultimate が用意されておりますので、
        通常のWindows パソコンと全く同じ操作でのご利用となります。
        通常のWindowsパソコンへのログオンと同じ手順で、当社技術サポート窓口からメール受信したお客様専用のWindowsユーザーのパスワード を入力し、
        続いてログオンボタンをクリックします。

      14. vSphere Client ログオン 7

      15. 仮想デスクトップPCのWindowsユーザー認証ログオンを終えて、お手持ちのパソコンのデスクトップ画面ではなく、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面にログオンされます。
        一見お手持ちのパソコンのデスクトップ画面に見えますが、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上で一連の操作を行っている状態であることにご留意下さい。
        尚、一連の操作の途中で 全画面表示モード → 非全画面表示モード に移行したい場合は、CtrlキーとAltキーとEnterキーを同時に押すか、もしくはコンソール画面の右上ボタンをクリックします。
        また、仮想デスクトップPC ⇔ お手持ちのパソコン の間で操作モードの相互の切り替えを行うには、CtrlキーとAltキーを同時に押します。
        一連の操作の途中で仮想デスクトップPCの操作が全く効かなくなった場合には、CtrlキーとAltキーを同時に押すことによって操作が復旧します。

      16. vSphere Client ログオン 8

    5. お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのデスクトップ上には、
      契約申し込み時に選択された利用するソフト名に応じて、SUMシリーズ厳密解析計算ソフト© の起動アイコンが用意されております。

       
      次に、以下の手順にしたがって仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上の SUM-TM0m0© 厳密解析計算ソフトを起動します。
      1. SUM-TM0m0 のアイコンをダブルクリックして、SUM-TM0m0© 厳密解析計算ソフトのメニュー選択画面のポップアップウインドウを起動します。
      2. メニュー選択画面が起動しましたら、そのままの状態で、次の手順5.以降へお進み下さい。

      3. SUM-TM0m0の起動

    6. 次に、先の2.の手順にしたがって把握しておいたお手持ちの共振器[摂動法(方式)空洞共振器]の寸法【空洞の内径D (mm) 】を基に、
      Excelもしくは電卓を用いてお手持ちの共振器のTM010モードおよびTM011モードの大よその中心周波数【f0】を予め計算して把握しておきます。
      * 摂動(方式)空洞共振器の各共振モード中心周波数は当共振器の場合、以下の通りです。
    7. ・TM010モード中心周波数 (GHz) =(c[光速 300] × √0.59)÷ 空洞の内径D (mm)
      TM010共振モード中心周波数計算 1
      ・TM011モード中心周波数 (GHz) =(c[光速 300] × √4.23)÷ 空洞の内径D (mm)
      TM010共振モード中心周波数計算 2

    8. 次に、棒状サンプルを装荷する前の状態のお手持ちの共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、

      試料装荷前のTM0m0共振器の接続外観写真 1

      続けて当共振器のS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。


      試料装荷前のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形 1
    9. 続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して、先の5.の手順にしたがって計算により導出したTM010モード中心周波数【f0】の共振波形ピークにマーカの中心をセットし、
      周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。

      試料装荷前のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形

      周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、以下のように、試料装荷前の当共振器の狭帯域におけるTM010モード共振波形を画面上に拡大表示します。

      試料装荷前のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 1

      共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
         上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=111.07 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=7822.2 へと大きく増大しています。
         このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
         Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
         過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》
    10. 続けて、以下の手順にしたがって、先の4.の手順にしたがって起動しているSUM-TM0m0© 厳密解析計算ソフトの複素比誘電率厳密解析計算プログラム [Calc. Er and tandr by Rigorous Analysis] を起動します。
      1. まず最初に、Input Mode[測定モード]の中から、"Manual" ボタンをクリック選択します。
        * 必ず、"Manual" ボタンをクリック選択して下さい。他の計測器制御モード用のボタンは選択しないで下さい。
      2. 次に、MENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Er and tandr by Rigorous Analysis" ボタンをクリック選択します。
      3. 続けてSTARTボタンをクリックし、解析計算処理の入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      4. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 1

        GUIが起動しましたら、測定環境に関するデータおよび基本パラメータを入力・設定して保存しておきます。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。

      5. まず始めに、【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]】を、有効数字3桁以内の半角数字で入力します。
      6. 続けて【使用する共振器の名前[Cavity]】を、半角英数字で入力します。
      7. 次に、【当棒状サンプルの名前[Material]】を、半角英数字で入力します。
      8. 次に、先の手順2.にしたがって測定した当棒状サンプルの寸法【直径[Diameter d1 (mm)]、測定誤差範囲[delta d1 (mm)]】を、有効数字4桁の半角数字で入力します。
      9. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      10. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 2

    11. 続けて、先の7.の手順にしたがって計測器[ネットワークアナライザ]画面上に拡大表示している、棒状サンプルを装荷する前の状態の当共振器のTM010モード共振波形の
      挿入損失【IL】/中心周波数【GHz】/3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】/3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】を、目視で読み取ります。

    12. 試料装荷前のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 2

    13. 続けて、先の手順9. にしたがって目視で読み取った棒状サンプルを装荷する前の状態の当共振器のTM010モードの波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。
      1. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      2. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 3

      3. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。

      4. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 4

    14. 次に、当共振器の挿入孔に、当棒状サンプルを装荷します。
      試料挿入直後にTM010モード中心周波数【f0】が下がるため、拡大表示しているTM010モード共振波形は計測器[ネットワークアナライザ]画面の外に移動して見えなくなります。
      * 定められた組み付け・装荷手順にしたがって、サンプルを共振器に確実にセットして下さい。

    15. 試料装荷後のTM0m0共振器の接続外観写真 2

      試料装荷後のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形 1

    16. 続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して周波数スパンを広げることによって、当棒状サンプルを装荷した状態の当共振器のS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。
      再表示されたTM010モード中心周波数【f0】の共振波形ピークにマーカの中心をセットしてから、計測器[ネットワークアナライザ]画面の中央にTM010モード共振波形をセンタリングします。

    17. 試料装荷後のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形 2

    18. 続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して、周波数スパンを狭めます。

      試料装荷後のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形 3

      周波数スパンを狭めることによって、以下のように、当棒状サンプルを装荷した状態の当共振器の狭帯域におけるTM010モード共振波形を画面上に拡大表示します。

      試料装荷後のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 1

      共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
         上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=1880.9 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=7830.8 へと大きく増大しています。
         このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
         Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
         過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》
    19. 続けて、先の13.の手順にしたがって計測器[ネットワークアナライザ]画面上に拡大表示している、棒状サンプルを装荷した状態の当共振器のTM010モード共振波形の
      挿入損失【IL】/中心周波数【GHz】/3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】/3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】を、目視で読み取ります。

    20. 試料装荷後のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 2

    21. 続けて、先の手順14. にしたがって目視で読み取った棒状サンプルを装荷した状態の当共振器のTM010モードの波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。

      起動している"Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
      読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
      続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
      有効数字6桁の半角数字で入力します。

      SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 5
    22. 次に、当共振器の挿入孔から、当棒状サンプルを抜き取ります。

      試料抜き取り後のTM0m0共振器の接続外観写真 3

      続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して周波数スパンを広げることによって、当棒状サンプルを抜いた状態の当共振器のS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。
      先の5.の手順にしたがって計算により導出したTM011モード中心周波数【f0】の共振波形ピークにマーカの中心をセットしてから、計測器[ネットワークアナライザ]画面の中央にTM011モード共振波形を
      センタリングします。

      試料抜き取り後のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形
    23. 続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して、周波数スパンを狭めます。

      試料抜き取り後のTM0m0共振器のS21広帯域共振波形 3

      周波数スパンを狭めることによって、以下のように、当棒状サンプルを抜いた状態の当共振器の狭帯域におけるTM011モード共振波形を画面上に拡大表示します。

      試料抜き取り後のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 1

      共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
         上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=2677.1 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=3916.0 へと大きく増大しています。
         このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
         Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
         過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》
    24. 続けて、先の17.の手順にしたがって計測器[ネットワークアナライザ]画面上に拡大表示している、棒状サンプルを抜いた状態の当共振器のTM011モード共振波形の
      挿入損失【IL】/中心周波数【GHz】/3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】/3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】を、目視で読み取ります。

    25. 試料抜き取り後のTM0m0共振器のS21狭帯域共振波形 2

    26. 最後に、先の手順18. にしたがって目視で読み取った棒状サンプルを抜いた状態の当共振器のTM011モードの波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。
      1. 起動している"Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
      2. 全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      3. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 6

      4. 解析計算処理が完了し、
        Measured Result 欄に、当棒状サンプルの比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析値の結果が表示されます。
        また、当共振器の厳密な寸法【空洞の内径D (mm) 、空洞の内径高さ H (mm)】および比導電率【Sigma r (%)】の結果も表示されます。

      5. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 7

      6. 次に、入出力操作用GUIの上部ブロックにある SAVE ボタンをクリックし、"名前を付けて保存" ポップアップウインドウを起動します。
        テーブルに表示されている計算結果データ
        【棒状サンプルを装荷する前の状態のTM010モード中心周波数 [f0 (GHz)]、棒状サンプルを装荷する前の状態の無負荷Q値 [Qu0]、
        棒状サンプルを抜いた状態のTM011モード中心周波数 [f_high (GHz)]、棒状サンプルを装荷した状態のTM010モード中心周波数 [f1 (GHz)]、
        棒状サンプルを装荷した状態の無負荷Q値 [Qu1]】を保存する準備に入ります。

      7. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 8

      8. 保存する "ファイルの種類" を選択するためのドロップダウンメニューの右ボタンをクリックし、"CSV ファイル(*.csv)" をクリック選択します。

      9. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 9

      10. ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        テーブルに表示されている計算結果データのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンを
        クリック選択します。続けて開くボタンをクリックします。
        * 当フォルダは、解析計算処理結果のデータファイルを保存するためにお客様に割り当てられた保存用フォルダです。
          お客様もしくは当社にとりまして極めて機密性の高い測定データの当社日本国内データセンターにおける保護・取扱い運用業務を簡略化するために、
          常に当フォルダに解析計算処理結果のデータファイルを保存・蓄積されることをお願い致します。

      11. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 10

      12. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      13. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 11

      14. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、ファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、テーブルに表示されている計算結果データが確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      15. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 12
         

      16. 続けて、入出力操作用GUIの上部ブロックに入力・設定した測定環境に関するデータおよび基本パラメータと
        下部ブロックに表示されている当共振器データおよび解析計算結果データをレポート形式で保存するために、
        REPORT ボタンをクリックします。

      17. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 13

      18. "名前を付けて保存" ポップアップウインドウが起動して、レポートを保存する準備に入ります。保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      19. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 14

      20. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、レポートのファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、全てのデータがレポート形式で確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      21. SUM-TM0m0のクラウド複素比誘電率計算処理 15

      以上で、当棒状サンプルのクラウド解析計算処理は完了です。
      * したがって、当測定環境下(室温23.3℃)における当棒状石英ガラスサンプルの軸方向誘電特性の国際標準データは、
        比誘電率【εr, Dk 】=3.809 誘電正接【tanδ, Df】】=0.0000857 となります。

      必要に応じて 2.以降の手順を繰り返してクラウド解析計算処理を実行します。
      そして、当解析計算クラウドサービスをさらに上位レベルの棒状試料[サンプル]の軸方向の誘電特性解析支援ツールとして最大限に有効利用してゆくために、
      保存した国際標準規格の高精度データと過去の測定において収集・蓄積したデータとの比較と見直しチェック (C) → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 (A)
      → 解決プランの明確化および立案 (P) → 解決プランの実施 (D) による、クラウド解析計算処理サイクルを回してゆきます。
      さらにIEC国際標準規格に準拠した高精度測定法に基づく厳密解析計算クラウドシステムの利用によって、
      測定環境に応じて気温[Temp.(℃)]に関する入力データを変えながら摂動法[方式]空洞共振器の寸法および比導電率
      および空洞の熱膨張の度合いに応じて各温度毎に異なる棒状試料[サンプル]の軸方向のの比誘電率【εr, Dk 】と 誘電正接【tanδ, Df】の解析再計算処理を正確に行い
      過去に測定した誘電特性の温度依存性データの抜本的な見直しチェックを行うことが、
      今後高温での使用を想定した電子デバイスの信頼性を保証する際には重要な測定ニーズとなってくると考えられます。

  4. 標準規格外設計の共振器を使用した場合に出力される「解析計算処理エラー判定」の見方 / 解析計算結果データの検証方法に関するお問い合わせ
    1. 以下のように、測定棒状サンプルの比誘電率の想定範囲から外れた不可解な比誘電率【εr, Dk 】値が出力される場合は、
      SUM-TM0m0© のIEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが
      入力された波形データ【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を評価して、
      「測定モードの判別ミスもしくはご使用の共振器の設計ミスにより、棒状サンプルの標準規格測定モード(TM010モード)ではない誤った共振モードを測定している」と判定したことを示唆しております。
    2. 解析計算処理エラー判定の結果 1

    3. 以下のように、お手持ちの共振器の想定サイズから外れた不可解な空洞内径の寸法値【D, H】が出力される場合は、
      SUM-TM0m0© のIEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが
      入力された波形データ【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を評価して、
      「測定モードの判別ミスもしくはご使用の共振器の設計ミスにより、棒状サンプルを抜いた状態の標準規格測定モード(TM011モード)ではない誤った共振モードを測定している」と
      判定したことを示唆しております。
    4. 解析計算処理エラー判定の結果 2

      「解析計算処理エラー判定」が出力される場合、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。

    5. 1以上の比誘電率【εr, Dk 】値と正の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力され「解析計算処理エラー判定」はされていないが、
       解析計算結果データの正確さについて比較見直しチェックする方法が不明な場合は、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
       標準棒状試料(サンプル)と比較見直しチェック用の当サンプル標準測定データを、リーズナブルな価格にてご提供致します。