SUM-PLATE© による解析計算手順

この度は、SUM-PLATE© 解析計算クラウド利用契約に正式にお申し込みいただき有難うございます。

プリント回路基板の設計を行う上で、
実際には軸方向によって誘電特性が大きく異なる平板誘電体材料[プリント基板材料、薄膜フィルム材、樹脂材、サファイア etc. の単結晶材]
もしくは軸方向によって誘電特性が等しい平板誘電体材料[セラミックス材、アルミナ材 etc. の多結晶材]の 平面(横, XY軸)方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】
を、
材料構造の特性タイプ[Structural properties types of anisotropic / isotropic dielectric materials]に関する知識と誘電特性の異方性の比較検証をベースに極めて高精度に実測し
厚さ(垂直, Z軸)方向の誘電特性パラメータ値と分離して差動伝送線路をシミュレーション解析することが、超高速伝送対応の電子デバイスの製品化の運命を左右する必須条件となっております。
治具(フィクスチャ)である共振器が具備する励振孔と試料(サンプル)挿入孔の寸法分の空隙[Air gap]などの影響による深刻な誤差を補正して比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算することが、
IEC国際標準規格準拠レベルの高精度測定の世界では今や極めて重要なファクターとなっております。
SUM-PLATE©は、お客様が現在使用中もしくは利用中の誘電率測定システムによって過去に測定した平板試料[シート、プレート]の誘電特性データの正確さについて抜本的な精度と確度の見直しと評価を行う上で、
JIS規格はもとよりIEC国際標準規格に完全準拠している厳密解析計算アルゴリズムを搭載するソフトウェアです。
国際規格 IEC 62562:2010、国内規格 JIS R 1641:2007 - 空洞共振器法 準拠

SUM-PLATE© 解析計算クラウドの利用による、マイクロ波帯[2GHz-40GHz]における誘電特性の精度と確度の見直しと評価に使用できるお手持ちの現行モデルまたは旧モデルの計測器[ネットワークアナライザ]と、
平面(横)方向の誘電特性データの正確さを保証できるだけの共振性能を有しているかどうかについてクラウド厳密解析計算によって実検証すべきご使用中の共振器タイプに関する情報は、
以下の通りです。

計測器[ネットワークアナライザ]

キーサイト・テクノロジー[Keysight Technologies]製 現行モデル(PNAシリーズ、ENAシリーズ、FieldFox)/ 旧モデル(アジレント・テクノロジー 製 8719 / 8720 / 8722、アジレント・テクノロジー 製 8753 / 8757D、HP製 8510シリーズ)
アンリツ[Anritsu]製 現行モデル(VectorStarシリーズ、ShockLineシリーズ、VNA Masterシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
ローデ・シュワルツ[R&S]製 現行モデル(ZVAシリーズ、ZNBシリーズ、ZVTシリーズ、ZNDシリーズ、ZVLシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
その他、メーカー製

共振器タイプ

各メーカー製 (平板試料測定用)空洞共振器、スプリットシリンダ(SPDR)共振器

また、これらいずれかの計測器[ネットワークアナライザ]と共振器を用いて、
ご使用中の計測器と共振器の正確さの検証 → マイクロ波帯における平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しチェック → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 → 解決プランの明確化 を進める手順は
以下の通りです。

  1. 全体のワークフロー

  2. SUM-PLATEによる解析計算手順の流れ 1

    SUM-PLATEによる解析計算手順の流れ 2

  3. 上記のIEC国際標準化された測定方法を、以下の作業手順にしたがって着実に実行することにより、
    ご使用中の計測器・共振器の正確さの検証と、誘電体試料[プリント基板材料、薄膜フィルム材、樹脂材、セラミックス材 etc.]の平面(横)方向の誘電特性データの抜本的な精度と確度の見直しチェックを
    実現することができます。
    1. お手持ちの計測器[ネットワークアナライザ]の校正を行います。
      1. まず始めに、お手持ちのネットワークアナライザ本体に対して校正[Calibration]作業を行うことによって、計測器の現在の状態の正確さについて確認し検証を行う必要があります。
        * 各メーカー別・各機種毎に定められた手順にしたがって、所定の機械式校正キットもしく電子校正(ECal)キットを使用して、以下のパラメータを設定した状態でSOLT校正を行って下さい。
         
        1. 校正周波数範囲(Frequency Range): 300KHz〜14GHz
        2. IF帯域幅(IF Bandwidth): 5KHz
        3. ポイント数(Number Of Points): 801pts
      2. SOLT校正作業が終わりましたら、次に以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を機械式校正キットのThruコネクタで接続します。

        Thruコネクタ接続外観写真

        続けて校正作業を終えたお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているS21 透過(伝送)特性およびS11(反射)特性それぞれの周波数応答波形と、
        以下の基準となる校正に成功した状態の周波数応答波形との間に、形状の見た目にずれがないかどうか比較して下さい。

        ThruコネクタS21校正基準波形      ThruコネクタS11校正基準波形

        《この時点で、[計測器の正確さに関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、同軸ケーブルまたは同軸コネクタなどの伝送系、もしくはお手持ちのネットワークアナライザの校正状態に異常があると予想されますので
           ご使用中の計測器メーカーもしくは校正サービス会社へ相談されることをお勧め致します。》
      3. 次に可能であれば以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を直結します。

        同軸ケーブル直結外観写真

        続けてお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているご使用の同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性を示す周波数応答波形と、
        以下の基準となる同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性の周波数応答波形[拡大表示のため1dB/Div にてスケール設定]との間に、
        形状の見た目に大きなずれがないかどうか比較することをお勧めします。

        高品質同軸ケーブルS21校正基準波形

        《この時点で、[伝送系に関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、ご使用の同軸ケーブルもしくは同軸コネクタの伝送系に問題があると予想されますので、これらをチェックされることをお勧め致します。》
    2. 次に、過去に測定した平面方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】について見直し評価したい平板サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の、
      寸法【1辺の長さD (mm) 、5点(中心部分および対角部分4隅)の厚さの平均値 H (mm)】を測定します。
      * 以下の外観写真を参考にして、電子ノギスを使って1辺の長さD (mm)を測定し、マイクロメータを使って5点の厚さの平均値 H (mm)の測定を行って下さい。
      * 今回使用する6GHz帯[測定する共振モード=TE011モードの共振周波数]の空洞共振器の空洞の直径は、7cmとなります。
        したがいまして、7cm直径より大きい10cm角の平板サンプルを用いて、過去の誘電特性データの精度と確度を見直します。
    3. 電子ノギス寸法測定の外観写真      マイクロメータ寸法測定の外観写真

    4. 計測器[ネットワークアナライザ]の校正と平板試料[サンプル]の寸法の測定を終えましたら、
      いよいよ国際標準規格の厳密解析計算処理に基づく、共振器の正確さの検証と、当サンプルの平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しと評価を実現するための前提条件が揃います。

       
      まず始めに、以下の手順にしたがってお手持ちのパソコンにインストールした利用者クライアントソフト【vSphere Client】を起動して当解析計算クラウドへユーザー認証ログオンし、
      続けて仮想デスクトップPCにログオンします。
      1. お手持ちのパソコンのデスクトップ上の VMware vSphere Client のアイコンをダブルクリックして、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のログイン画面を起動します。
        1. IP アドレス/名前: www.sumtec-cloud.net
        2. ユーザー名: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザー名
        3. パスワード: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザーのパスワード

        を入力し、続けてログインボタンをクリックします。


      2. vSphere Client ログオン 1

      3. クラウドユーザー認証ログオンを終えて、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のホーム画面が表示されます。
        左部分のナビゲータ上には、親インベントリ名を示す "www.sumtec-cloud.net" のアイコンが表示されます。+ボタンをクリックして、親インベントリを展開します。

      4. vSphere Client ログオン 2

      5. 親インベントリの下に、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのアイコンが表示されます。
        仮想デスクトップPC名 "****_Windows7Pro" を右クリックし、次にメニューより "コンソールを開く" をクリック選択します。

      6. vSphere Client ログオン 3

      7. しばらくすると、お手持ちのパソコンのデスクトップ最前面に、仮想デスクトップPCのコンソール画面が表示されます。
        続けてコンソール画面内の黒い部分をクリックします。

      8. vSphere Client ログオン 4

      9. クリック後すぐに、黒いコンソール画面が、仮想デスクトップPCのWindowsログオン画面の表示に切り替わります。
        初期設定では、コンソール画面は全画面表示モードではありません。
        非全画面表示モードのままでは一連の作業を行う際に操作性が良くないので、コンソール画面の表示メニューをクリックし、次に "フルスクリーンへの切り替え" をクリック選択します。

      10. vSphere Client ログオン 5

      11. 全画面表示モードへ切り替える旨を確認するためのポップアップウインドウが表示されます。次にOKボタンをクリックします。

      12. vSphere Client ログオン 6

      13. お手持ちのパソコンのデスクトップ画面の全ての領域が、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのコンソール画面によって完全に覆い隠されます。
        仮想デスクトップPCの日本語OSには Windows 7 Pro、また英語その他の外国語OSには Windows 7 Ultimate が用意されておりますので、
        通常のWindows パソコンと全く同じ操作でのご利用となります。
        通常のWindowsパソコンへのログオンと同じ手順で、当社技術サポート窓口からメール受信したお客様専用のWindowsユーザーのパスワード を入力し、
        続いてログオンボタンをクリックします。

      14. vSphere Client ログオン 7

      15. 仮想デスクトップPCのWindowsユーザー認証ログオンを終えて、お手持ちのパソコンのデスクトップ画面ではなく、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面にログオンされます。
        一見お手持ちのパソコンのデスクトップ画面に見えますが、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上で一連の操作を行っている状態であることにご留意下さい。
        尚、一連の操作の途中で 全画面表示モード → 非全画面表示モード に移行したい場合は、CtrlキーとAltキーとEnterキーを同時に押すか、もしくはコンソール画面の右上ボタンをクリックします。
        また、仮想デスクトップPC ⇔ お手持ちのパソコン の間で操作モードの相互の切り替えを行うには、CtrlキーとAltキーを同時に押します。
        一連の操作の途中で仮想デスクトップPCの操作が全く効かなくなった場合には、CtrlキーとAltキーを同時に押すことによって操作が復旧します。

      16. vSphere Client ログオン 8

    5. お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのデスクトップ上には、
      契約申し込み時に選択された利用するソフト名に応じて、SUMシリーズ厳密解析計算ソフト© の起動アイコンが用意されております。

       
      次に、以下の手順にしたがって仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上の SUM-PLATE© 厳密解析計算ソフトを起動します。
      1. SUM-PLATE のアイコンをダブルクリックして、SUM-PLATE© 厳密解析計算ソフトのメニュー選択画面のポップアップウインドウを起動します。
      2. メニュー選択画面が起動しましたら、そのままの状態で、次の手順5.以降へお進み下さい。

      3. SUM-PLATEの起動 1

    6. 次に、IEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数の第1の基本パラメータである「当サンプルを装荷する前の状態のお手持ちの共振器の空洞[Cavity]の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」を、
      正確に把握しておくことが絶対条件となります。

      * 当社の紹介を通じて購入された空洞共振器をご使用の場合は、
        先の手順にしたがって起動しているSUM-PLATE© 厳密解析計算ソフトのメニューから空洞の寸法を自動計算するプログラム [Calc. Diameter & Height for Empty Cavity] を選択起動して、
        自動計算により厳密に寸法を測定することが可能です。したがいまして正確な寸法値がご不明の場合は、以下の手順にしたがって、初回のみ寸法を測定することが必要となります。

      * 当社の紹介を経由せず購入された空洞共振器もしくはスプリットシリンダー (SPDR) 共振器をご使用の場合は、
        製造販売元のメーカーへお問い合わせの上、正確な空洞の寸法値を調査入手し把握することが重要となります。
        万が一、製造販売元のメーカー側で空洞の寸法値が把握されていない場合、残念ながらこの時点で「お手持ちの共振器は、IEC標準規格外設計によって製造された共振器と考えられる」と判定されます。
        製造販売元のメーカーより問題なく寸法値を入手されましたら、そのまま 手順6.以降へお進み下さい。
      1. まず最初に、Input Mode[測定モード]の中から、"Manual" ボタンをクリック選択します。
        * 必ず、"Manual" ボタンをクリック選択して下さい。他の計測器制御モード用のボタンは選択しないで下さい。
      2. 次に、MENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Diameter & Height for Empty Cavity" ボタンをクリック選択します。
      3. 続けてSTARTボタンをクリックし、空洞の寸法の自動計算入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      4. SUM-PLATEの起動 2

        GUIが起動しましたら、測定環境に関するデータおよび基本パラメータを入力・設定して保存しておきます。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。

      5. まず始めに、【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]】を、有効数字3桁以内の半角数字で入力します。
      6. 続けて【使用する共振器の名前[Cavity Name]】を、半角英数字で入力します。
      7. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      8. SUM-PLATEの基本パラメータ入力 1

        空洞の寸法は、ネットワークアナライザ画面上に表示される空洞の TE011モード TE012モード のそれぞれの共振波形より目視で読み取る2つの中心周波数の値に基づいて自動計算されます。

      9. 測定環境に関するデータおよび基本パラメータの入力保存を終えましたら、
        まず始めに、以下の外観写真を参考にして、当サンプルを装荷する前の状態の共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、
        続けてS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。

        空洞共振器の接続外観写真 1
      10. 次に、当共振器[この場合、6GHz帯空洞共振器]の過去に測定された共振周波数のデータと照合して、
        画面上に表示されたS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる複数共振ピークの中からTE011モードとTE012モードの共振ピークがどれかを、表示されている中心周波数をベースに判別します。
      11. 続けて以下を参考にして、判別したTE011モードの共振ピークに計測器[ネットワークアナライザ]のマーカー1をセットし、中心周波数 f01【GHz】を目視で読み取ります。
      12. さらに続けて以下を参考にして、判別したTE012モードの共振ピークに計測器[ネットワークアナライザ]のマーカー2をセットし、中心周波数 f02【GHz】を目視で読み取ります。

      13. 空洞寸法測定用のS21狭帯域共振波形

        最後に、目視で読み取ったTE011モードとTE012モードの中心周波数を、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。続けて空洞の寸法の自動計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。

      14. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った2つの中心周波数を手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      15. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 1

      16. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った【TE011モード中心周波数 [Center Freq. f01 (GHz)]、TE012モード中心周波数 [Center Freq. f02 (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      17. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 2

      18. 自動計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の右の部分に、空洞の直径【Diameter (mm)】と空洞の高さ【Height (mm)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。
        また、それぞれについて複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      19. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 3

      20. 次に、入出力操作用GUIの上部ブロックにある SAVE ボタンをクリックし、"名前を付けて保存" ポップアップウインドウを起動します。
        テーブルに表示されている計算結果データ
        【TE011モード中心周波数 [f01 (GHz)]、TE012モード中心周波数 [f02 (GHz)]、空洞の直径 [Diameter (mm)]、空洞の高さ [Height (mm)]】を保存する準備に入ります。

      21. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 4

      22. 保存する "ファイルの種類" を選択するためのドロップダウンメニューの右ボタンをクリックし、"CSV ファイル(*.csv)" をクリック選択します。

      23. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 5

      24. ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        テーブルに表示されている計算結果データのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンを
        クリック選択します。続けて開くボタンをクリックします。
        * 当フォルダは、解析計算処理結果のデータファイルを保存するためにお客様に割り当てられた保存用フォルダです。
          お客様もしくは当社にとりまして極めて機密性の高い測定データの当社日本国内データセンターにおける保護・取扱い運用業務を簡略化するために、
          常に当フォルダに解析計算処理結果のデータファイルを保存・蓄積されることをお願い致します。

      25. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 6

      26. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      27. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 7

      28. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、ファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、テーブルに表示されている計算結果データが確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      29. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 8

      30. 次に、空洞の寸法の計算結果データをレポート形式で保存するために、REPORT ボタンをクリックします。

      31. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 9

      32. "名前を付けて保存" ポップアップウインドウが起動して、レポートを保存する準備に入ります。
        ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        レポートのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンをクリック選択します。
        続けて開くボタンをクリックします。

      33. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 10

      34. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      35. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 11

      36. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、レポートのファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、全てのデータがレポート形式で確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      37. SUM-PLATEのクラウド空洞寸法計算処理 12

        以上で、空洞の寸法のクラウド自動計算測定は完了です。
        ばらつき誤差[精度]を評価してさらに高精度に寸法の測定を行う場合は、上記手順を繰り返し実行します。

    7. また同様に、IEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数の第2の基本パラメータである「当サンプルを装荷する前の状態のお手持ちの共振器の空洞[Cavity]の20℃における純銅に対する比導電率【σr@20℃】」を、
      正確に把握しておくことが絶対条件となります。

      * 当社の紹介を通じて購入された空洞共振器をご使用の場合は、
        先の手順にしたがって起動しているSUM-PLATE© 厳密解析計算ソフトのメニューから空洞の比導電率を自動計算するプログラム [Calc. Relative Conductivity for Empty Cavity] を選択起動して、
        自動計算により厳密に比導電率を測定することが可能です。したがいまして正確な純銅に対する比導電率値がご不明の場合は、以下の手順にしたがって、初回のみ比導電率を測定することが必要となります。

      * 当社の紹介を経由せず購入された空洞共振器もしくはスプリットシリンダー (SPDR) 共振器をご使用の場合は、
        製造販売元のメーカーへお問い合わせの上、正確な空洞の純銅に対する比導電率値を調査入手し把握することが重要となります。
        万が一、お手持ちの共振器の材料が純銅以外の金属(アルミ、真鍮 etc.)であったり、または製造販売元のメーカー側で空洞の20℃における純銅に対する比導電率値【σr@20℃】が把握されていない場合、
        残念ながらこの時点で「お手持ちの共振器は、IEC標準規格外設計によって製造された高精度保証のない信頼性の低い共振器」と判定されます。
        製造販売元のメーカーより問題なく20℃における純銅に対する比導電率値【σr@20℃】を入手されましたら、そのまま 手順7.以降へお進み下さい。
      1. まず最初に、起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Relative Conductivity for Empty Cavity" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、空洞の比導電率の自動計算入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      3. SUM-PLATEの起動 3

        GUIが起動しましたら、先の手順5.で測定した空洞の寸法に関する基本パラメータを入力・設定して保存しておきます。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。

      4. まず始めに、【空洞の直径[Diameter (mm)]、空洞の直径の測定誤差範囲[delta D (mm)]】を、有効数字5桁以内の半角数字で入力します。
      5. 続けて【空洞の高さ[Height (mm)]、空洞の高さの測定誤差範囲[delta H (mm)]】を、有効数字5桁以内の半角数字で入力します。
      6. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      7. SUM-PLATEの基本パラメータ入力 2

        空洞の比導電率は、ネットワークアナライザ画面上に表示される空洞の TE011モードの狭帯域共振波形より目視で読み取る波形データに基づいて自動計算されます。

      8. 空洞の寸法に関する基本パラメータの入力保存を終えましたら、
        まず始めに、計測器[ネットワークアナライザ]画面上に表示されているS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形上の、先の手順5.にてTE012モード共振ピークにセットしたマーカー2をクリアします。
      9. 次に、ネットワークアナライザを操作することによって、
        マーカー1がセットされている状態のTE011モード共振ピークを画面中央にセンタリングし、続けて画面中央に移動したTE011モード共振ピークのマーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。

      10. 空洞比導電率測定用のS21広帯域共振波形

      11. マーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、以下のように、空洞の TE011モードの狭帯域共振波形を画面上に拡大表示します。
      12. 最後に、空洞の TE011モードの波形データ[挿入損失【IL】、中心周波数【GHz】、3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】、3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】]を目視で読み取ります。

      13. 空洞比導電率測定用のS21狭帯域共振波形

        共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
           上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=10000以下 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=35928 へと大きく増大しています。
           このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
           Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
           過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》


        最後に、目視で読み取ったTE011モードの波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。続けて空洞の比導電率の自動計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。

      14. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      15. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 1

      16. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁〜7桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      17. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 2

      18. 自動計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の右の部分の上段には、現在の室温における空洞に使われている金属材料の純粋な金属材料に対する比導電率【Sigma (%)@22.3(℃)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が
        表示されます。
        それに対して、Measured Result 欄の右の部分の下段には、空洞の20℃における純銅に対する比導電率【Sigma (%)@20(℃)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。
        また、それぞれについて複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      19. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 3

      20. 次に、入出力操作用GUIの上部ブロックにある SAVE ボタンをクリックし、"名前を付けて保存" ポップアップウインドウを起動します。
        テーブルに表示されている計算結果データ
        【挿入損失 [IL (dB)]、中心周波数 [f0 (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [fh (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [fl (GHz)]、負荷Q値 [Ql]、無負荷Q値 [Qu]】を保存する準備に入ります。

      21. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 4

      22. 保存する "ファイルの種類" を選択するためのドロップダウンメニューの右ボタンをクリックし、"CSV ファイル(*.csv)" をクリック選択します。

      23. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 5

      24. ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        テーブルに表示されている計算結果データのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンを
        クリック選択します。続けて開くボタンをクリックします。
        * 当フォルダは、解析計算処理結果のデータファイルを保存するためにお客様に割り当てられた保存用フォルダです。
          お客様もしくは当社にとりまして極めて機密性の高い測定データの当社日本国内データセンターにおける保護・取扱い運用業務を簡略化するために、
          常に当フォルダに解析計算処理結果のデータファイルを保存・蓄積されることをお願い致します。

      25. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 6

      26. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      27. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 7

      28. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、ファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、テーブルに表示されている計算結果データが確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      29. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 8

      30. 次に、空洞の比導電率の計算結果データをレポート形式で保存するために、REPORT ボタンをクリックします。

      31. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 9

      32. "名前を付けて保存" ポップアップウインドウが起動して、レポートを保存する準備に入ります。
        ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        レポートのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンをクリック選択します。
        続けて開くボタンをクリックします。

      33. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 10

      34. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      35. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 11

      36. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、レポートのファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、全てのデータがレポート形式で確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      37. SUM-PLATEのクラウド空洞比導電率計算処理 12

        以上で、空洞の比導電率のクラウド自動計算測定は完了です。
        ばらつき誤差[精度]を評価してさらに高精度に比導電率の測定を行う場合は、上記手順を繰り返し実行します。

    8. 次に、ご使用の共振器[(平板試料測定用)空洞共振器、スプリットシリンダー(SPDR)共振器]の空洞の寸法と比導電率が正確に把握できましたら、
      共振器に当平板サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]を装荷します。
      * 各メーカー別・各共振器毎に定められた装荷組み立て手順にしたがって、サンプルを共振器に確実にセットして下さい。
    9. さらに以下の外観写真を参考にして、当サンプルを装荷した共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、

      空洞共振器の接続外観写真 2

      続けて装荷したサンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の、S21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。
      * 測定周波数範囲は、f=f0[ご使用の空洞共振器のTE011モード中心周波数 (GHz)]- 1GHz ±3GHz の広さの帯域を参考に設定して下さい。

      COP試料S21広帯域共振波形 1
    10.   
      そして最終的に、ネットワークアナライザ画面上のTE011モードの狭帯域共振波形より目視で読み取る波形データを入力して、当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】を自動計算します。
      自動計算のための基本パラメータには、先の手順5.および手順6.にしたがって測定もしくは調査入手した「共振器の空洞の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」と「共振器の空洞の比導電率【σr@20℃】」を設定して用います。
      また、装荷した当サンプルの TE011モードの中心周波数【f0】は、自動描画プログラムによって描画するモードチャートを活用することによって容易に判別することができます。
      以降の手順へお進み下さい。

    11. まず始めに、以下の手順にしたがって、サンプルを装荷した状態のご使用の共振器のモードチャートを自動計算して描画します。
      1. 起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Mode Chart for Dielectric Plate Loaded Cavity" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、サンプルを装荷した状態の共振器のモードチャート自動描画入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。
      3. GUIが起動しましたら、モードチャートの描画設定に関する基本パラメータを入力します。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。
      4. まず始めに、モードチャートX軸の描画設定ブロック "Select X axis" に、【比誘電率[Ea]】が選択済みであることを確認します。
      5. 続けてご使用の共振器の空洞寸法の描画設定ブロックに、先の手順6.にしたがって設定保存した【空洞の直径[Diameter(mm)]、空洞の高さ[Height(mm)]】が継承されて既に入力済みであることを確認します。
      6. さらに【装荷した測定試料(サンプル)の厚さ寸法[Thickness(mm)]】の描画設定ブロックに、先の手順2.にしたがって測定した当サンプルの5点厚さの平均値を有効数字4桁の半角数字で入力します。

      7. SUM-PLATEのクラウド試料モードチャート自動描画 1

      8. 次に、モードチャートX軸のサンプル推定比誘電率の有効範囲の設定ブロック "Set Xaxis Ea" に、【下限の比誘電率値[Min]、上限の比誘電率値[Max]、スケール[Div]】をそれぞれ有効数字2桁以内の半角数字で入力します。
        * 当シクロオレフィンポリマー(COP)の比誘電率は、公知の範囲として2〜4の間であると推定されます。
      9. またモードチャートY軸の 測定周波数範囲の有効範囲の設定ブロック "Set Yaxis F0" に、【下限の中心周波数値[Min]、上限の中心周波数値[Max]、スケール[Div]】をそれぞれ有効数字2桁以内の半角数字で入力します。
        * 描画するモードチャートは、先の手順8.によりネットワークアナライザ画面上に表示している当サンプルの広帯域共振波形と常に見比べながら活用するため、2GHz〜8GHzのネットワークアナライザ測定周波数範囲と同じに設定します。
      10. 全てのパラメータの入力を終えて、最後にCALCULATION ボタンをクリックすると、モードチャートが自動描画されます。

      11. SUM-PLATEのクラウド試料モードチャート自動描画 2

        SUM-PLATEのクラウド試料モードチャート自動描画 3

    12. 次に、以下の手順にしたがって描画されたモードチャート曲線を目視参照して、先の手順8.にしたがってネットワークアナライザ画面上に表示している当サンプルのS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる複数の共振ピークの中から、
      TE111モード(一番下の部分に描画されている最低次の曲線)および比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】の自動計算に波形データを用いるTE011モード(赤線で描画されている曲線)の共振ピークを判別します。
      判別した画面上のTE111モード共振ピークの中心周波数【f0】に基づいて当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】が推定でき、またおおよその比誘電率【εr, Dk 】に基づいてTE011モードの中心周波数【f0】を
      モードチャートとネットワークアナライザ画面を見比べることによって可視的に判別することができます。
      1. まず始めに、モードチャート上の最低次TE111モード曲線のY軸中心周波数【f0(GHz)】範囲とネットワークアナライザ画面上の各共振ピークの各中心周波数とを見比べて、
        いずれのピークが当サンプルのTE111モード共振ピークであるかを判別します。続けて、判別したTE111モード共振ピークに、ネットワークアナライザのマーカー1をセットします。
      2. TE111モードの中心周波数【f0(GHz)】の有効数字6桁を、目視で読み取ります。
      3. 読み取った中心周波数を基にモードチャート上の最低次TE111モード曲線のY軸を目視して、モードチャートX軸から当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】の値を推定します。

      4. モードチャート比較用COP試料S21広帯域共振波形 1

        COP試料モードチャート 1

      5. 次に、当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】に基づいてモードチャート上のTE011モード曲線(赤線)のY軸の数字を目視して、
        ネットワークアナライザ画面上のTE011モード共振ピークの中心周波数【f0(GHz)】を推定し、いずれのピークが当サンプルのTE011モード共振ピークであるかを判別します。
      6. 続けて、判別したTE011モード共振ピークに、ネットワークアナライザのマーカー1をセットします。

      7. モードチャート比較用COP試料S21広帯域共振波形 2

        COP試料モードチャート 2

      8. 次に、ネットワークアナライザを操作することによって、
        マーカー1がセットされている状態の当サンプルのTE011モード共振ピークを画面中央にセンタリングし、続けて画面中央に移動したTE011モード共振ピークのマーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。

      9. COP試料TE011モード広帯域共振波形

      10. マーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、以下のように、当サンプルのTE011モードの狭帯域共振波形を画面上に拡大表示しておきます。

      11. COP試料TE011モード狭帯域共振波形 1

        共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
           上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=587 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=17248 へと大きく増大しています。
           このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
           Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
           過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》

      いよいよ、当サンプルの平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しと評価作業の最終段階に入ります。
      以下の手順にしたがって、SUM-PLATE© 厳密解析計算ソフトの複素比誘電率解析計算プログラムを使って当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】のクラウド解析計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。

    13. 前述の通り、当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】のクラウド解析計算処理は、
      先の手順5.および手順6.にしたがって測定もしくは調査入手した「共振器の空洞の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」および「共振器の空洞の比導電率【σr@20℃】」の基本パラメータに基づいて実行されます。
      まず始めに、以下の手順にしたがって各基本パラメータを入力・設定して保存します。
      * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。
      1. 起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Complex Permittivity for Dielectric Plate" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、解析計算処理の入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      3. SUM-PLATEの起動 5

      4. GUIが起動しましたら、先の手順5.にしたがって設定保存した【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]、使用する共振器の名前[Cavity Name]】
        および手順6.にしたがって設定保存した第1の基本パラメータである使用する共振器の空洞の寸法
        【直径[Diameter(mm)]、測定誤差範囲[delta D (mm)]、高さ[Height(mm)]、測定誤差範囲[delta H (mm)]】が、継承されて既に入力済みであることを確認します。
      5. 続けて第2の基本パラメータである空洞の20℃における純銅に対する比導電率【Sigma (%)@20(℃)】を、有効数字3桁の半角数字で入力します。
        また、測定誤差範囲【delta Sr (%)】は±3% が許容限界となりますので、半角数字3を入力します。
      6. さらに第3の基本パラメータである当サンプルの任意の名前 【[Name]】および先の 2.の手順にしたがって測定しておいた当サンプルの寸法
        【1辺の長さ [Diameter (mm)]、測定誤差範囲 [delta D (mm)]、5点の厚さの平均値 Height (mm)、測定誤差範囲 [delta H (mm)]】を、有効数字4桁以内の半角英数字で入力します。
      7. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      8. SUM-PLATEの基本パラメータ入力 3

    14. 次に、先の手順10.にしたがってモードチャートを使って共振ピークを判別しネットワークアナライザ画面上に拡大表示している
      当サンプルのTE011モードの波形データ[挿入損失【IL】、中心周波数【GHz】、3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】、3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】]を、目視で読み取ります。

    15. COP試料TE011モード狭帯域共振波形 2

    16. そして、先の手順12.にしたがって目視で読み取った当サンプルのTE011モードの波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。
      続けて当サンプルの平面(横)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の解析計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。
      1. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      2. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 1

      3. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      4. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 2

      5. 解析計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の中段に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の結果が表示されます。
        また、それぞれ複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      6. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 3

      7. 次に、入出力操作用GUIの上部ブロックにある SAVE ボタンをクリックし、"名前を付けて保存" ポップアップウインドウを起動します。
        テーブルに表示されている計算結果データ
        【挿入損失 [IL (dB)]、中心周波数 [f0 (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [fh (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [fl (GHz)]、負荷Q値 [Ql]、無負荷Q値 [Qu]】を
        保存する準備に入ります。

      8. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 4

      9. 保存する "ファイルの種類" を選択するためのドロップダウンメニューの右ボタンをクリックし、"CSV ファイル(*.csv)" をクリック選択します。

      10. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 5

      11. ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        テーブルに表示されている計算結果データのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンを
        クリック選択します。続けて開くボタンをクリックします。
        * 当フォルダは、解析計算処理結果のデータファイルを保存するためにお客様に割り当てられた保存用フォルダです。
          お客様もしくは当社にとりまして極めて機密性の高い測定データの当社日本国内データセンターにおける保護・取扱い運用業務を簡略化するために、
          常に当フォルダに解析計算処理結果のデータファイルを保存・蓄積されることをお願い致します。

      12. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 6

      13. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      14. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 7

      15. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、ファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、テーブルに表示されている計算結果データが確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      16. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 8

    17. 最後に、以下の手順にしたがって当サンプルの平面(横)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析計算処理を実行し、出力された高精度データをレポート形式で保存します。
      * 誘電特性データの精度面での品質を低下させる要因となっている共振器の励振孔もしくは試料(サンプル)挿入孔の寸法分の影響による誤差を補正して、
        以下の手順により比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算処理することは、IEC国際標準規格準拠レベルの高精度測定を実施する際の絶対条件となっております。

      1. 先の 13.の手順にしたがって解析計算処理した概算値の結果が表示されている状態で、入出力操作用GUIの下部ブロック Precise Calc. 欄の CALC ボタンをクリックします。

      2. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 9

      3. 厳密解析計算処理を開始することを知らせるためのポップアップウインドウが表示されます。OKボタンをクリックします。

      4. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 10

      5. 厳密解析計算処理が完了するまでに、20秒〜1分程度の時間を要します。 しばらくお待ち下さい。
        厳密解析計算処理が完了し、Precise Calc. 欄に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析値[より確度の高い結果データ]の結果が表示されます。

      6. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 11
         

      7. 続けて、入出力操作用GUIの上部ブロックに入力・設定した測定環境に関するデータおよび基本パラメータと
        下部ブロックに表示されている波形データおよび解析計算結果データをレポート形式で保存するために、
        REPORT ボタンをクリックします。

      8. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 12

      9. "名前を付けて保存" ポップアップウインドウが起動して、レポートを保存する準備に入ります。
        ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        レポートのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンをクリック選択します。
        続けて開くボタンをクリックします。

      10. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 13

      11. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      12. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 14

      13. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、レポートのファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、全てのデータがレポート形式で確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      14. SUM-PLATEのクラウド複素比誘電率計算処理 15

      以上で、クラウド解析計算処理によるシクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルムのTE011共振モード誘電特性の精度と確度の見直し作業は完了です。
      * 尚、厚さ(垂直)方向の比誘電率【εr, Dk 】解析計算処理結果データ=2.3497 と比較して平面(横)方向の比誘電率【εr, Dk 】解析計算処理結果データ=2.3850 に差が少ないため、
        「シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルムは等方性の誘電体材料[Isotropic dielectric material] である」ことが既に実証され、世界的に広く認知されております。

       
      必要に応じて他の共振周波数帯の(平板試料測定用)空洞共振器もしくはスプリットシリンダー(SPDR)共振器のTE011共振ピークを判別し、2.以降の手順を繰り返してクラウド解析計算処理を実行します。
      そして、当解析計算クラウドサービスをさらに上位レベルの平面(横)方向の誘電特性解析支援ツールとして最大限に有効利用してゆくために、
      保存した国際標準規格の高確度データと過去の測定において収集・蓄積したデータとの比較と見直しチェック (C) → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 (A)
      → 解決プランの明確化および立案 (P) → 解決プランの実施 (D) による、クラウド解析計算処理サイクルを回してゆきます。
      また一方でCOPとは異なりポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの基板サンプルは、
      室温20℃付近に物質の相転移[Phase transition]による比誘電率【εr, Dk 】と 誘電正接【tanδ, Df】の変曲点が存在することが世界的に広く知られており、
      IEC国際標準規格に準拠した高精度測定法に基づく厳密解析計算クラウドシステムの利用によって、
      測定環境に応じて気温[Temp.(℃)]に関する入力データを変えながら予めサンプル装荷前の空洞の寸法および比導電率を温度変化毎に解析計算しデータ保存しておき、
      これら空洞の熱膨張の度合いに応じて各温度毎に異なる基本パラメータを用いて基板サンプルの比誘電率【εr, Dk 】と 誘電正接【tanδ, Df】の解析再計算処理を正確に行い
      過去に測定した誘電特性の温度依存性データの抜本的な見直しチェックを行うことが、高温での使用を想定した電子デバイスの信頼性を保証する際に極めて重要となってまいります。

  4. 測定モード判別ミスや標準規格外設計の共振器を使用した場合に出力される「解析計算処理エラー判定」の見方 / 解析計算結果データの検証方法に関するお問い合わせ
    1. 以下のように、測定サンプルの比誘電率の想定範囲から外れた不可解な比誘電率【εr, Dk 】値が出力される場合は、
      SUM-PLATE© のIEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが
      入力された波形データ【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を評価して、
      「測定モードの判別ミスもしくはご使用の共振器の設計ミスにより、標準規格の測定モード(TE011モード)ではない誤った共振モードを測定している」と判定したことを示唆しております。
    2. 解析計算処理エラー判定の結果 1

    3. 以下のように、測定サンプルの想定比誘電率をはるかに超える異常な比誘電率【εr, Dk 】値が出力される場合は、
      SUM-PLATE© のIEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが上部ブロックの基本パラメータを評価して、
      「ご使用の共振器は、標準規格外の空洞の寸法設計に基づいて製造されたものである」と判定したことを示唆しております。
    4. 解析計算処理エラー判定の結果 2

    5. 以下のように、負の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力される場合は、
      SUM-PLATE© のIEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが上部ブロックの基本パラメータを評価して、
      「ご使用の空洞の純銅に対する比導電率の値が低すぎる」と判定したことを示唆しております。
      原因として、共振器の空洞に「純銅以外の材料(アルミ、真鍮 etc.)が使われている」もしくは「標準規格以下の純度の銅が使われている」
      もしくは「酸化によって空洞内部の品質が劣化している」ことが考えられます。
    6. 解析計算処理エラー判定の結果 3

      IEC国際標準規格の高精度測定法におきましては、
      ご使用中の計測器の正確さと共振器の信頼性の検証 → 測定に用いる共振モードの波形ピークの正確な判別 → サンプルの平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直し の一連の作業について、
      国際的に取り決められた基準であるモードチャートに基づいて可視的に判断し正確で信頼性の高い判定が行える点が、最大のキーポイントとなります。
      「解析計算処理エラー判定」が出力される場合、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。

    7. 1以上の比誘電率【εr, Dk 】値と正の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力され「解析計算処理エラー判定」はされていないが、
       解析計算結果データの正確さについて比較見直しチェックする方法が不明な場合は、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
       標準試料(サンプル)と比較見直しチェック用の当サンプル標準測定データを、リーズナブルな価格にてご提供致します。