SUM-DISK© による解析計算手順

この度は、SUM-DISK© 解析計算クラウド利用契約に正式にお申し込みいただき有難うございます。

プリント回路基板の設計を行う上で、
実際には軸方向によって誘電特性が大きく異なる平板誘電体材料[プリント基板材、薄膜フィルム材、樹脂材、サファイア etc. の単結晶材]の 厚さ(垂直, Z軸)方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】
極めて高精度に実測し、平面(横, XY軸)方向の誘電特性パラメータ値と厳密に分離して差動伝送線路をシミュレーション解析することが、高速伝送対応の電子デバイスの製品化の運命を左右する必須条件となっております。
治具(フィクスチャ)である共振器が具備する励振孔と試料(サンプル)挿入孔の寸法分の空隙[Air gap]などの影響による深刻な誤差を補正して比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算することが、
高精度測定の世界では今や極めて重要なファクターとなっております。
1970年代以降の基礎研究をベースに当社創業者の小林禧夫により提案され世界で初めて実用化されるに至った平衡形円板共振器法 [Balanced-type circular disk resonator method] に完全準拠しているSUM-DISK©は、
お客様が現在使用中もしくは利用中の模倣品や試作メーカー品のBCDR平衡型円板共振器法などを用いて過去に測定した平板試料[シート、プレート]の厚さ(垂直)方向の誘電特性データの不確かさ について
抜本的な精度と確度の見直しと評価を行う上で絶対的基準となる純正の厳密解析計算アルゴリズムを搭載しているソフトウェアです。
国際規格 IEC 63185:2020、国内規格 JPCA-FCL01:2006、国内規格 JFIA-FP001:2006 - 平衡形円板共振器法 準拠

© 厳密解析計算ソフト SUM-DISK / SUMDISK の著作権 および 平衡形円板共振器と高精度測定技術に関する特許権など、一切の知的財産権は NTTデバイスクロステクノロジ株式会社に帰属しております。

SUM-DISK© 解析計算クラウドの利用による誘電特性の精度と確度の見直しと評価に使用できるお手持ちの現行モデルまたは旧モデルの計測器[ネットワークアナライザ]と、
厚さ(垂直)方向の誘電特性データの正確さを保証できるだけの共振性能を有しているかどうかについてクラウド厳密解析計算によって実検証すべきご使用中の共振器タイプに関する情報は、
以下の通りです。

計測器[ネットワークアナライザ]

キーサイト・テクノロジー[Keysight Technologies]製 現行モデル(PNAシリーズ、ENAシリーズ、FieldFox)/ 旧モデル(アジレント・テクノロジー 製 8719 / 8720 / 8722、アジレント・テクノロジー 製 8753 / 8757D、HP製 8510シリーズ)
アンリツ[Anritsu]製 現行モデル(VectorStarシリーズ、ShockLineシリーズ、VNA Masterシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
ローデ・シュワルツ[R&S]製 現行モデル(ZVAシリーズ、ZNBシリーズ、ZVTシリーズ、ZNDシリーズ、ZVLシリーズ)/ 旧モデル(各シリーズ)
その他、メーカー製

共振器タイプ

各メーカー製 従来型の旧構造の平衡形円板共振器(カタログ表示の虚偽を鵜呑みにすることにより誤って選択採用し失敗してしまった、推奨メーカー製* 以外の模倣品・試作メーカー品の BCDR平衡型円板共振器)、
円板共振器、ストリップライン共振器
* 平衡形円板共振器法の発明者および開発元である当社では、NTTデバイスクロステクノロジ製 新構造平衡形円板共振器 [ "事実上の最先端技術製品" - Top Quality Product ]
  または 川島製作所製 共振器 のご使用のみを強く推奨しております。

また、これらいずれかの計測器[ネットワークアナライザ]と共振器を用いて、
ご使用中の計測器と共振器の正確さの検証 → マイクロ波・ミリ波帯における厚さ(垂直)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しチェック → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 → 解決プランの明確化 を進める手順は
以下の通りです。

  1. 全体のワークフロー

  2. SUM-DISKによる解析計算手順の流れ

  3. 上記の標準化された測定方法を、以下の作業手順にしたがって着実に実行することにより、
    ご使用中の計測器・共振器の正確さの検証と、誘電体試料[プリント基板材料、フィルム材]の厚さ(垂直)方向の誘電特性データの抜本的な精度と確度の見直しチェックを実現することができます。
    1. お手持ちの計測器[ネットワークアナライザ]の校正を行います。
      1. まず始めに、お手持ちのネットワークアナライザ本体に対して校正[Calibration]作業を行うことによって、計測器の現在の状態の正確さについて確認し検証を行う必要があります。
        * 各メーカー別・各機種毎に定められた手順にしたがって、所定の機械式校正キットもしく電子校正(ECal)キットを使用して、以下のパラメータを設定した状態でSOLT校正を行って下さい。
         
        1. 校正周波数範囲(Frequency Range): 300KHz〜14GHz
        2. IF帯域幅(IF Bandwidth): 5KHz
        3. ポイント数(Number Of Points): 801pts
      2. SOLT校正作業が終わりましたら、次に以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を機械式校正キットのThruコネクタで接続します。

        Thruコネクタ接続外観写真

        続けて校正作業を終えたお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているS21 透過(伝送)特性およびS11(反射)特性それぞれの周波数応答波形と、
        以下の基準となる校正に成功した状態の周波数応答波形との間に、形状の見た目にずれがないかどうか比較して下さい。

        ThruコネクタS21校正基準波形      ThruコネクタS11校正基準波形

        《この時点で、[計測器の正確さに関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、同軸ケーブルまたは同軸コネクタなどの伝送系、もしくはお手持ちのネットワークアナライザの校正状態に異常があると予想されますので
           ご使用中の計測器メーカーもしくは校正サービス会社へ相談されることをお勧め致します。》
      3. 次に可能であれば以下の外観写真を参考にして、同軸ケーブルの同軸コネクタ同士を直結します。

        同軸ケーブル直結外観写真

        続けてお手持ちのネットワークアナライザ画面上に表示されているご使用の同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性を示す周波数応答波形と、
        以下の基準となる同軸ケーブルおよび同軸コネクタのS21伝送損失(伝送ロス)特性の周波数応答波形[拡大表示のため1dB/Div にてスケール設定]との間に、
        形状の見た目に大きなずれがないかどうか比較することをお勧めします。

        高品質同軸ケーブルS21校正基準波形

        《この時点で、[伝送系に関する検証]は完了です。
           形状の見た目のずれが大きい場合は、ご使用の同軸ケーブルもしくは同軸コネクタの伝送系に問題があると予想されますので、これらをチェックされることをお勧め致します。》
    2. 厚さ方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】について見直し評価したい角板サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の、
      寸法【1辺の長さD (mm) 、中心部分の厚さ H (mm)】を測定します。
      * 以下の外観写真を参考にして、電子ノギスを使って1辺の長さD (mm)を測定し、マイクロメータを使って中心部分の厚さ H (mm)の測定を行って下さい。
    3. 電子ノギス寸法測定の外観写真      マイクロメータ寸法測定の外観写真

    4. お手持ちの共振器[平衡形円板共振器、円板共振器、ストリップライン共振器]に、当サンプルを装荷します。
      * 各メーカー別・各共振器毎に定められた装荷組み立て手順にしたがって、サンプルを共振器に確実にセットして下さい。
    5. 以下の外観写真を参考にして、当サンプルを装荷した共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、

      平衡形円板共振器の接続外観写真

      続けて当サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の、S21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。

      COP試料S21広帯域共振波形 1
    6. 当サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の材料に関する過去に測定された共振周波数のデータを参照して、
      画面上に表示されたS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる複数共振ピークの中からTM010モードの共振ピークがどれかを、表示されている中心周波数をベースに判別します。
      続けて、計測器[ネットワークアナライザ]を操作して判別したTM010共振ピークにマーカの中心をセットし、周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。

      COP試料S21広帯域共振波形 2

      周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、以下のように、当サンプルの狭帯域におけるTM010モード共振波形を画面上に拡大表示します。

    7. COP試料S21狭帯域共振波形 1

      共振モード毎に狭帯域における波形を画面上に拡大表示する作業は、高精度測定の成否を左右する非常に重要な作業です。
         上記に示されておりますように、共振波形を広帯域で表示させた場合には Ql(負荷Q)値=354.73 であるのに対して、狭帯域で拡大表示後には Ql(負荷Q)値=1033.1 へと大きく増大しています。
         このことは高精度なQ値を得るには、共振波形を狭帯域で拡大表示することが絶対条件であることを示唆しています。
         Q値の変化により誘電正接【tanδ, Df 】の値は変化し異なってくるため、もし仮に過去の測定において誤って共振波形を狭帯域で拡大表示せずに解析計算を行っていた場合、
         過去に収集し蓄積した全ての誘電正接【tanδ, Df 】のデータ精度の信憑性は著しく疑われるため、再計測とクラウド解析計算による全面的な精度見直しが重要な検討課題となってまいります。》

    8. TM010モードの狭帯域の共振波形を捉えて高精度なQ値を正確に得ることができましたら、
      いよいよ標準規格の厳密解析計算処理に基づく、共振器の正確さの検証と、当サンプルの厚さ(垂直)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しと評価を実現するための前提条件が揃います。

       
      まず始めに、以下の手順にしたがってお手持ちのパソコンにインストールした利用者クライアントソフト【vSphere Client】を起動して当解析計算クラウドへユーザー認証ログオンし、
      続けて仮想デスクトップPCにログオンします。
      1. お手持ちのパソコンのデスクトップ上の VMware vSphere Client のアイコンをダブルクリックして、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のログイン画面を起動します。
        1. IP アドレス/名前: www.sumtec-cloud.net
        2. ユーザー名: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザー名
        3. パスワード: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザーのパスワード

        を入力し、続けてログインボタンをクリックします。


      2. vSphere Client ログオン 1

      3. クラウドユーザー認証ログオンを終えて、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のホーム画面が表示されます。
        左部分のナビゲータ上には、親インベントリ名を示す "www.sumtec-cloud.net" のアイコンが表示されます。+ボタンをクリックして、親インベントリを展開します。

      4. vSphere Client ログオン 2

      5. 親インベントリの下に、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのアイコンが表示されます。
        仮想デスクトップPC名 "****_Windows7Pro" を右クリックし、次にメニューより "コンソールを開く" をクリック選択します。

      6. vSphere Client ログオン 3

      7. しばらくすると、お手持ちのパソコンのデスクトップ最前面に、仮想デスクトップPCのコンソール画面が表示されます。
        続けてコンソール画面内の黒い部分をクリックします。

      8. vSphere Client ログオン 4

      9. クリック後すぐに、黒いコンソール画面が、仮想デスクトップPCのWindowsログオン画面の表示に切り替わります。
        初期設定では、コンソール画面は全画面表示モードではありません。
        非全画面表示モードのままでは一連の作業を行う際に操作性が良くないので、コンソール画面の表示メニューをクリックし、次に "フルスクリーンへの切り替え" をクリック選択します。

      10. vSphere Client ログオン 5

      11. 全画面表示モードへ切り替える旨を確認するためのポップアップウインドウが表示されます。次にOKボタンをクリックします。

      12. vSphere Client ログオン 6

      13. お手持ちのパソコンのデスクトップ画面の全ての領域が、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのコンソール画面によって完全に覆い隠されます。
        仮想デスクトップPCの日本語OSには Windows 7 Pro、また英語その他の外国語OSには Windows 7 Ultimate が用意されておりますので、
        通常のWindows パソコンと全く同じ操作でのご利用となります。
        通常のWindowsパソコンへのログオンと同じ手順で、当社技術サポート窓口からメール受信したお客様専用のWindowsユーザーのパスワード を入力し、
        続いてログオンボタンをクリックします。

      14. vSphere Client ログオン 7

      15. 仮想デスクトップPCのWindowsユーザー認証ログオンを終えて、お手持ちのパソコンのデスクトップ画面ではなく、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面にログオンされます。
        一見お手持ちのパソコンのデスクトップ画面に見えますが、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上で一連の操作を行っている状態であることにご留意下さい。
        尚、一連の操作の途中で 全画面表示モード → 非全画面表示モード に移行したい場合は、CtrlキーとAltキーとEnterキーを同時に押すか、もしくはコンソール画面の右上ボタンをクリックします。
        また、仮想デスクトップPC ⇔ お手持ちのパソコン の間で操作モードの相互の切り替えを行うには、CtrlキーとAltキーを同時に押します。
        一連の操作の途中で仮想デスクトップPCの操作が全く効かなくなった場合には、CtrlキーとAltキーを同時に押すことによって操作が復旧します。

      16. vSphere Client ログオン 8

    9. お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのデスクトップ上には、
      契約申し込み時に選択された利用するソフト名に応じて、SUMシリーズ厳密解析計算ソフト© の起動アイコンが用意されております。

       
      次に、以下の手順にしたがって仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上の SUM-DISK© 厳密解析計算ソフトを起動します。
              * ご使用の共振器タイプが「平衡形円板共振器」もしくは「円板共振器」の場合、当手順にしたがって起動して下さい。
      1. SUM-DISK のアイコンをダブルクリックして、SUM-DISK© 厳密解析計算ソフトのメニュー選択画面のポップアップウインドウを起動します。
      2. まず最初に、Input Mode[測定モード]の中から、"Manual" ボタンをクリック選択します。
        * 必ず、"Manual" ボタンをクリック選択して下さい。他の計測器制御モード用のボタンは選択しないで下さい。
      3. 次に、MENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Er and tand by Multi modes." ボタンをクリック選択します。
      4. 続けてSTARTボタンをクリックし、解析計算処理の入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      5. SUM-DISKの起動 1

      1. * ご使用の共振器タイプが「ストリップライン共振器」の場合、当手順にしたがって起動して下さい。

      2. SUM-DISKの起動 4

      3. * 下記の手順にしたがって起動した場合、
        解析計算処理の入出力操作用GUIは共振モード毎に個別タブに分離されない構造のため、高次と低次の共振モード同士のデータ比較時の操作が煩雑となる点にご留意下さい

      4. SUM-DISKの起動 2

    10. SUM-DISK© 厳密解析計算ソフトの入出力操作用GUIの構造は、共振モード毎に分離した各々の個別タブが、上部ブロックと下部ブロックで機能的に分かれている構造となっております。
      GUIの上部ブロックにおいて、
      測定環境に関するデータ【気温、湿度】および標準規格の厳密解析計算処理の引数となる基本パラメータ【使用した円形銅箔 Disk値、共振器の励振孔 Excitation値、試料 Material値】を入力・設定し、
      GUIの下部ブロックにおいて、共振モード毎の狭帯域の波形データを手入力し厳密解析計算処理の結果を出力する構造となっております。

       
      GUIが起動しましたらまず始めに、以下の手順にしたがって測定環境に関するデータおよび各基本パラメータを入力・設定して保存します。 
      * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。
      1. 今回は当サンプル[シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]のTM010共振モードの解析計算処理を行うので、起動している入出力操作用GUIの "TM010 Mode" のタブをクリックします。
        続けて測定環境に関するデータ【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]】を、有効数字3桁以内の半角数字で入力します。

      2. SUM-DISKの基本パラメータ入力 1

      3. 次に、標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数である第1の基本パラメータ
        【使用した円形銅箔〈20℃における〉の 任意の名前 [Name]、直径 [Diameter (mm)]、直径の測定誤差範囲 [delta D (mm)]、中心部分の厚さ(高さ) [Height (mm)]、
          中心部分の厚さ(高さ)の測定誤差範囲 [delta H (mm)]、純銅に対する比導電率 [Sigma (%)@20℃]、純銅に対する比導電率の誤差範囲 [delta Sr (%)]】を、
        有効数字5桁以内の半角英数字で入力します。
        《高精度な誘電特性データを正確に取得できるレベルの品質の「きれいな円形銅箔」の比導電率は、大気中での酸化による劣化の影響が少ないレベルに相当する 95%±3% が許容限界です。
        予め「使用する円形銅箔の純銅に対する比導電率値」について、共振器メーカーへ問い合わせて調査し正しく把握されることをお勧め致します。
        また、目視して表面に酸化による劣化が確認されましたら、新しい円形銅箔に交換されることをお勧め致します。》

      4. SUM-DISKの基本パラメータ入力 2

      5. 次に、標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数である第2の基本パラメータ
        【共振器〈20℃における〉の 任意の名前 [Name]、銅平板部分の (円柱状)励振孔の直径 [Diameter (mm)]、(円柱状)励振孔の直径の測定誤差範囲 [delta D (mm)]、
          (円柱状)励振孔の長さ(高さ) [Height (mm)]、(円柱状)励振孔の長さ(高さ)の測定誤差範囲 [delta H (mm)]、銅平板の純銅に対する比導電率 [Sigma (%)@20℃]、
          銅平板の純銅に対する比導電率の誤差範囲 [delta Sr (%)]】を、
        有効数字2桁以内の半角英数字で入力します。
        《厚さ(垂直)方向の誘電特性データの正確さを保証できるだけの共振性能を有しているかどうかの実検証を進めてゆくにあたりまして、
        予め「共振器の銅平板部分の(円柱状)励振孔の寸法」および「銅平板部分の純銅に対する比導電率値」について、
        共振器メーカーへ問い合わせて調査し正しく把握しておくことが重要となります。
        また、目視して銅平板部分の表面に酸化による著しい劣化が確認されましたら、希塩酸などで磨き手入れされることをお勧め致します。》

      6. SUM-DISKの基本パラメータ入力 3

      7. 次に、先の 2.の手順にしたがって測定しておいた標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数である第3の基本パラメータ
        【当サンプルの 任意の名前 [Name]、1辺の長さ [Diameter (mm)]、1辺の長さの測定誤差範囲 [delta D (mm)]、中心部分の厚さ [Height (mm)]、
          5点(中心部分および対角部分4隅)の厚さの平均ばらつき誤差=平滑度 [delta H (mm)]】を、
        有効数字4桁以内の半角英数字で入力します。

      8. SUM-DISKの基本パラメータ入力 4

      9. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      10. SUM-DISKの基本パラメータ入力 5

    11. 測定環境に関するデータ【気温、湿度】および標準規格の厳密解析計算処理の引数となる正確な基本パラメータを設定し保存し終えましたら、
      厚さ(垂直)方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】のクラウド解析計算処理を開始します。

       
      まず始めに、先の 5.の手順にしたがって計測器[ネットワークアナライザ]画面上に拡大表示されている、当サンプル[この場合、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルム]の
      TM010モードの狭帯域の波形データ[挿入損失【IL】、中心周波数【GHz】、3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】、3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】]を、
      以下を参考にして目視で読み取ります。

    12. COP試料S21狭帯域共振波形 2

    13. 次に、先の 9.の手順にしたがって目視で読み取った狭帯域の波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。
      続けて当サンプルの厚さ(垂直)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の解析計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。
      1. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      2. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 1

      3. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全5桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      4. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 2

      5. 解析計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の上段に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の結果が表示されます。
        また下段には、複数回の測定・解析計算結果の間でのそれぞれのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      6. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 3

      7. 次に、入出力操作用GUIの上部ブロックにある SAVE ボタンをクリックし、"名前を付けて保存" ポップアップウインドウを起動します。
        テーブルに表示されている計算結果データ
        【挿入損失 [IL (dB)]、中心周波数 [f0 (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [fh (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [fl (GHz)]、負荷Q値 [Ql]、無負荷Q値 [Qu]】を
        保存する準備に入ります。

      8. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 4

      9. 保存する "ファイルの種類" を選択するためのドロップダウンメニューの右ボタンをクリックし、"CSV ファイル(*.csv)" をクリック選択します。

      10. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 5

      11. ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        テーブルに表示されている計算結果データのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンを
        クリック選択します。続けて開くボタンをクリックします。
        * 当フォルダは、解析計算処理結果のデータファイルを保存するためにお客様に割り当てられた保存用フォルダです。
          お客様もしくは当社にとりまして極めて機密性の高い測定データの当社日本国内データセンターにおける保護・取扱い運用業務を簡略化するために、
          常に当フォルダに解析計算処理結果のデータファイルを保存・蓄積されることをお願い致します。

      12. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 6

      13. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      14. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 7

      15. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、ファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、テーブルに表示されている計算結果データが確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      16. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 8

    14. 最後に、以下の手順にしたがって当サンプルの厚さ(垂直)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析計算処理を実行し、出力された高精度データをレポート形式で保存します。
      * 誘電特性データの精度面での品質を低下させる要因となっている共振器の励振孔もしくは試料(サンプル)挿入孔の寸法分の影響による誤差を補正して、
        以下の手順により比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算処理することは、IEC国際標準規格準拠レベルの高精度測定を実施する際の絶対条件となっております。

      1. 先の 10.の手順にしたがって解析計算処理した概算値の結果が表示されている状態で、入出力操作用GUIの下部ブロック Precise Calc. 欄の CALC ボタンをクリックします。

      2. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 9

      3. 厳密解析計算処理を開始することを知らせるためのポップアップウインドウが表示されます。OKボタンをクリックします。

      4. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 10

      5. 厳密解析計算処理が完了するまでに、20秒〜1分程度の時間を要します。 しばらくお待ち下さい。
        厳密解析計算処理が完了し、Precise Calc. 欄に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析値の結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。

      6. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 11
         

      7. 続けて、入出力操作用GUIの上部ブロックに入力・設定した測定環境に関するデータおよび基本パラメータと
        下部ブロックに表示されている波形データおよび解析計算結果データをレポート形式で保存するために、
        REPORT ボタンをクリックします。

      8. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 12

      9. "名前を付けて保存" ポップアップウインドウが起動して、レポートを保存する準備に入ります。
        ナビゲーションウィンドウ上の "デスクトップ" アイコンをクリックし、
        レポートのファイル保存先として、仮想デスクトップPCのデスクトップ上に用意されている "解析計算データ・レポート保存フォルダ" のアイコンをクリック選択します。
        続けて開くボタンをクリックします。

      10. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 13

      11. 保存ファイル名を入力し、続けて保存ボタンをクリックします。

      12. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 14

      13. 仮想デスクトップPCのデスクトップ上の "解析計算データ・レポート保存フォルダ" 内に、レポートのファイルが保存されます。
        保存ファイル名をダブルクリックして開き、全てのデータがレポート形式で確実に保存されているかどうかご確認下さい。

      14. SUM-DISKのクラウド解析計算処理 15

      以上で、クラウド解析計算処理によるシクロオレフィンポリマー(COP)樹脂フィルムのTM010共振モード誘電特性の精度と確度の見直し作業は完了です。
      必要に応じてTM020モード以降の共振ピークを判別し、9.以降の手順を繰り返してクラウド解析計算処理を実行します。
      そして、当解析計算クラウドサービスをさらに上位レベルの厚さ(垂直)方向の誘電特性解析支援ツールとして最大限に有効利用してゆくために、
      保存した標準規格の高確度データと過去の測定において収集・蓄積したデータとの比較と見直しチェック (C) → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 (A)
      → 解決プランの明確化および立案 (P) → 解決プランの実施 (D) による、クラウド解析計算処理サイクルを回してゆきます。

  4. 標準規格外設計の共振器を使用した場合に出力される「解析計算処理エラー判定」の見方 / 解析計算結果データの検証方法に関するお問い合わせ
    1. 標準規格の厚さ(垂直)方向の誘電特性解析計算処理を作業手順にしたがって着実に実行しているにもかかわらず
      以下のように、1以下の比誘電率【εr, Dk 】値が出力されたり負の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力される場合は、
      SUM-DISK© の標準規格の厳密解析計算アルゴリズムが上部ブロックの基本パラメータを評価して、
      「使用中の共振器の寸法と比導電率が規格外設計である点が疑わしい」と判定したことを示唆しております。


      解析計算処理エラー判定の結果

      「解析計算処理エラー判定」が出力される場合、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
    2. 1以上の比誘電率【εr, Dk 】値と正の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力され「解析計算処理エラー判定」はされていないが、
       解析計算結果データの正確さについて比較見直しチェックする方法が不明な場合は、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
       標準試料(サンプル)と比較見直しチェック用の当サンプル標準測定データを、リーズナブルな価格にてご提供致します。