SUM-CYLINDER© による解析計算手順

この度は、SUM-CYLINDER© 解析計算クラウド利用契約に正式にお申し込みいただき有難うございます。

実際には軸方向によって誘電特性が大きく異なる平板誘電体材料[薄膜フィルム材、樹脂材、プリント基板材料、サファイア etc. の単結晶材]
もしくは軸方向によって誘電特性が等しい平板誘電体材料[セラミックス材、アルミナ材 etc. の多結晶材]の 平面(横, XY軸)方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】
を、
材料構造の特性タイプ[Structural properties types of anisotropic / isotropic dielectric materials]に関する知識と誘電特性の異方性の比較検証をベースに極めて高精度に実測し
厚さ(垂直, Z軸)方向の誘電特性パラメータ値と分離してミリ波回路をシミュレーション解析することが、
ミリ波帯電子デバイス(超高速大容量無線通信用、車載用レーダー用、セキュリティ用イメージングデバイス etc.)の製品化の運命を左右する必須条件となっております。
治具(フィクスチャ)である共振器が具備する励振孔と試料(サンプル)挿入孔の寸法分の空隙[Air gap]などの影響による深刻な誤差を補正して比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算することが、
IEC国際標準規格準拠レベルのミリ波応用向け誘電体材料の高精度測定の世界では今や極めて重要なファクターとなっております。
SUM-CYLINDER©は、お客様が現在使用中もしくは利用中の誘電率測定システムによって過去に測定したミリ波帯平板試料[シート、プレート]の誘電特性データの正確さについて抜本的な精度と確度の見直しと評価を
行う上で、JIS規格はもとよりIEC国際標準規格に完全準拠している厳密解析計算アルゴリズムを搭載するソフトウェアです。
国際規格 IEC 61338-1-4:2005、国内規格 JIS R 1660-1:2004 - 遮断円筒導波管法 準拠

SUM-CYLINDER© 解析計算クラウドの利用による、ミリ波帯[30GHz-100GHz]における誘電特性の精度と確度の見直しと評価に使用できるお手持ちの現行モデルまたは旧モデルの計測器[ネットワークアナライザ]と、
平面(横)方向のミリ波帯誘電特性データの正確さを保証できるだけの共振性能を有しているかどうかについてクラウド厳密解析計算によって実検証すべきご使用中の共振器タイプもしくは測定システムに関する情報は、
以下の通りです。

計測器[ネットワークアナライザ]

キーサイト・テクノロジー[Keysight Technologies]製 現行モデル(PNAシリーズ)/ 旧モデル(アジレント・テクノロジー 製 8757D、HP製 8510シリーズ)
アンリツ[Anritsu]製 現行モデル(VectorStarシリーズ、ShockLineシリーズ)
ローデ・シュワルツ[R&S]製 現行モデル(ZVAシリーズ)
その他、メーカー製

共振器タイプ

各メーカー製 (ミリ波帯平板試料測定用)遮断円筒導波管共振器

当クラウド解析計算により、所与の測定モードにおける補正処理(アベレージング・誤差補正・ゲーティング)波形と遮断円筒導波管共振器の実波形との比較・測定データ精度のベンチマーク比較が行える測定法システム

測定法システム名称 フリースペース法(自由空間法)[Free-space method]、開放型共振器法[Open resonator method]、スプリットシリンダ(SPDR)共振器

これらいずれかの計測器[ネットワークアナライザ]と共振器を用いて、
ご使用中の計測器と共振器の正確さの検証 → ミリ波帯における平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直しチェック → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 → 解決プランの明確化 を進める手順は
以下の通りです。

  1. 全体のワークフロー

  2. SUM-CYLINDERによる解析計算手順の流れ 1

    SUM-CYLINDERによる解析計算手順の流れ 2

  3. 上記のIEC国際標準化された測定方法を、以下の作業手順にしたがって着実に実行することにより、
    ご使用中の計測器・共振器の正確さの検証と、ミリ波帯誘電体試料[薄膜フィルム材、樹脂材、セラミックス材、プリント基板材料 etc.]の平面(横)方向の誘電特性データの抜本的な精度と確度の見直しチェックを
    実現することができます。
     
    * 尚、SUM-CYLINDER©は、非常に短い波長[λ(m)]のミリ波を共振させる非常に小さい寸法の空洞共振器[遮断円筒導波管共振器]を用いて、
      過去に測定した平板試料[シート、プレート]の平面(横)方向の誘電特性データの見直しチェックを行うクラウドサービスのため、解析計算処理の作業手順はSUM-PLATE©と基本的に同じです。
      但し、遮断円筒導波管共振器における励振線の取り付け位置は空洞共振器における取り付け位置に対して90°異なるため、遮断円筒導波管共振器においては、励振線先端のループがTE012モードの共振波形を捕捉しない
      構造となっております。
      そのため、後述の手順5. で行う遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法の測定においては、TE011モードおよびTE013モードの共振波形より目視で読み取る2つの中心周波数の値に基づいて空洞の寸法が自動計算されます。
      TE012モードではなく共振波形が捕捉されるTE013モードの共振ピークを判別して中心周波数を入力する点が、SUM-PLATE©における空洞の寸法測定手順とは違う点にご注意下さい。
    1. お手持ちの計測器[ネットワークアナライザ]の校正を行います。
    2. * ネットワークアナライザ本体に対して校正作業を行う手順と、校正作業後に[計測器の正確さに関する検証]および[伝送系に関する検証]を行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。
        "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順1. を参考に作業を行います。

    3. 次に、過去に測定した平面方向の比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】について見直し評価したいミリ波帯平板サンプル[この場合、PTFE基板]の、
      寸法【1辺の長さD (mm) 、5点(中心部分および対角部分4隅)の厚さの平均値 H (mm)】を測定します。
      * 寸法の測定を行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      * 以下の外観写真を参考にして、電子ノギスを使って1辺の長さD (mm)を測定し、マイクロメータを使って5点の厚さの平均値 H (mm)の測定を行って下さい。
      * 今回使用する80GHz帯[測定する共振モード=TE011モードの共振周波数]の遮断円筒導波管共振器の空洞の直径は、4.5mmとなります。
        したがいまして、4.5mm直径より大きい14.5mm角の平板サンプルを用いて、過去に測定したミリ波帯誘電特性データの精度と確度を見直します。
    4. 電子ノギス寸法測定の外観写真      マイクロメータ寸法測定の外観写真

    5. 計測器[ネットワークアナライザ]の校正と平板試料[サンプル]の寸法の測定を終えましたら、
      いよいよ国際標準規格の厳密解析計算処理に基づく、共振器の正確さの検証と、
      当サンプル[この場合、PTFE基板]の平面(横)方向のミリ波帯誘電特性データの精度と確度の見直しと評価を実現するための前提条件が揃います。

       
      まず始めに、以下の手順にしたがってお手持ちのパソコンにインストールした利用者クライアントソフト【vSphere Client】を起動して当解析計算クラウドへユーザー認証ログオンし、
      続けて仮想デスクトップPCにログオンします。

      * 一連のログオンを行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。

      1. お手持ちのパソコンのデスクトップ上の VMware vSphere Client のアイコンをダブルクリックして、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のログイン画面を起動します。
        1. IP アドレス/名前: www.sumtec-cloud.net
        2. ユーザー名: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザー名
        3. パスワード: 契約申し込み後に当社技術サポート窓口からメール受信した、お客様専用のクラウドユーザーのパスワード

        を入力し、続けてログインボタンをクリックします。


      2. vSphere Client ログオン 1

      3. クラウドユーザー認証ログオンを終えて、利用者クライアントソフト【vSphere Client】のホーム画面が表示されます。
        左部分のナビゲータ上には、親インベントリ名を示す "www.sumtec-cloud.net" のアイコンが表示されます。+ボタンをクリックして、親インベントリを展開します。

      4. vSphere Client ログオン 2

      5. 親インベントリの下に、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのアイコンが表示されます。
        仮想デスクトップPC名 "****_Windows7Pro" を右クリックし、次にメニューより "コンソールを開く" をクリック選択します。

      6. vSphere Client ログオン 3

      7. しばらくすると、お手持ちのパソコンのデスクトップ最前面に、仮想デスクトップPCのコンソール画面が表示されます。
        続けてコンソール画面内の黒い部分をクリックします。

      8. vSphere Client ログオン 4

      9. クリック後すぐに、黒いコンソール画面が、仮想デスクトップPCのWindowsログオン画面の表示に切り替わります。
        初期設定では、コンソール画面は全画面表示モードではありません。
        非全画面表示モードのままでは一連の作業を行う際に操作性が良くないので、コンソール画面の表示メニューをクリックし、次に "フルスクリーンへの切り替え" をクリック選択します。

      10. vSphere Client ログオン 5

      11. 全画面表示モードへ切り替える旨を確認するためのポップアップウインドウが表示されます。次にOKボタンをクリックします。

      12. vSphere Client ログオン 6

      13. お手持ちのパソコンのデスクトップ画面の全ての領域が、お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのコンソール画面によって完全に覆い隠されます。
        仮想デスクトップPCの日本語OSには Windows 7 Pro、また英語その他の外国語OSには Windows 7 Ultimate が用意されておりますので、
        通常のWindows パソコンと全く同じ操作でのご利用となります。
        通常のWindowsパソコンへのログオンと同じ手順で、当社技術サポート窓口からメール受信したお客様専用のWindowsユーザーのパスワード を入力し、
        続いてログオンボタンをクリックします。

      14. vSphere Client ログオン 7

      15. 仮想デスクトップPCのWindowsユーザー認証ログオンを終えて、お手持ちのパソコンのデスクトップ画面ではなく、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面にログオンされます。
        一見お手持ちのパソコンのデスクトップ画面に見えますが、仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上で一連の操作を行っている状態であることにご留意下さい。
        尚、一連の操作の途中で 全画面表示モード → 非全画面表示モード に移行したい場合は、CtrlキーとAltキーとEnterキーを同時に押すか、もしくはコンソール画面の右上ボタンをクリックします。
        また、仮想デスクトップPC ⇔ お手持ちのパソコン の間で操作モードの相互の切り替えを行うには、CtrlキーとAltキーを同時に押します。
        一連の操作の途中で仮想デスクトップPCの操作が全く効かなくなった場合には、CtrlキーとAltキーを同時に押すことによって操作が復旧します。

      16. vSphere Client ログオン 8

    6. お客様専用に割り当てられた仮想デスクトップPCのデスクトップ上には、
      契約申し込み時に選択された利用するソフト名に応じて、SUMシリーズ厳密解析計算ソフト© の起動アイコンが用意されております。

       
      次に、以下の手順にしたがって仮想デスクトップPCのデスクトップ画面上の SUM-CYLINDER© 厳密解析計算ソフトを起動します。
      * 利用するソフトを起動する手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      1. SUM-CYLINDER のアイコンをダブルクリックして、SUM-CYLINDER© 厳密解析計算ソフトのメニュー選択画面のポップアップウインドウを起動します。
      2. メニュー選択画面が起動しましたら、そのままの状態で、次の手順5.以降へお進み下さい。

      3. SUM-CYLINDERの起動 1

    7. 次に、IEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数の第1の基本パラメータである「当サンプルを装荷する前の状態のお手持ちの共振器の空洞[Cavity]の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」を、
      正確に把握しておくことが絶対条件となります。

      * 遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法を把握する手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      * 当社の紹介を通じて購入された遮断円筒導波管共振器をご使用の場合は、
        先の手順にしたがって起動しているSUM-CYLINDER© 厳密解析計算ソフトのメニューから空洞の寸法を自動計算するプログラム [Calc. Diameter & Height for Empty Cavity] を選択起動して、
        自動計算により厳密に寸法を測定することが可能です。したがいまして正確な寸法値がご不明の場合は、以下の手順にしたがって、初回のみ寸法を測定することが必要となります。

      * 当社の紹介を経由せず購入された遮断円筒導波管共振器をご使用の場合は、
        製造販売元のメーカーへお問い合わせの上、正確な空洞の寸法値を調査入手し把握することが重要となります。
        万が一、製造販売元のメーカー側で空洞の寸法値が把握されていない場合、
        残念ながらこの時点で「お手持ちの遮断円筒導波管共振器は、IEC標準規格外設計によって製造された共振器と考えられる」と判定されます。
        製造販売元のメーカーより問題なく寸法値を入手されましたら、そのまま 手順6.以降へお進み下さい。
      1. まず最初に、Input Mode[測定モード]の中から、"Manual" ボタンをクリック選択します。
        * 必ず、"Manual" ボタンをクリック選択して下さい。他の計測器制御モード用のボタンは選択しないで下さい。
      2. 次に、MENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Diameter & Height for Empty Cavity" ボタンをクリック選択します。
      3. 続けてSTARTボタンをクリックし、空洞の寸法の自動計算入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      4. SUM-CYLINDERの起動 2

        GUIが起動しましたら、測定環境に関するデータおよび基本パラメータを入力・設定して保存しておきます。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。

      5. まず始めに、【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]】を、有効数字3桁以内の半角数字で入力します。
      6. 続けて【使用する共振器の名前[Cavity Name]】を、半角英数字で入力します。
      7. また、【判別する2個目共振ピークのモード名[Mode Name 2]】を、半角英数字013で入力します。
      8. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      9. SUM-CYLINDERの基本パラメータ入力 1

        冒頭にて先述しました通り、遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法は、
        ネットワークアナライザ画面上に表示される空洞の TE011モード TE013モード のそれぞれの共振波形より目視で読み取る2つの中心周波数の値に基づいて自動計算されます。

      10. 測定環境に関するデータおよび基本パラメータの入力保存を終えましたら、
        まず始めに、当サンプルを装荷する前の以下の状態の遮断円筒導波管共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、
        続けてS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振の実波形を画面上に表示します。
        * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順5-vii. を参考に作業を行います。

        遮断円筒導波管共振器の外観写真 1
      11. 次に、当共振器[この場合、80GHz帯遮断円筒導波管共振器]の過去に測定された共振周波数のデータと照合して、
        画面上に表示されたS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる実波形上の複数共振ピークの中からTE011モードとTE013モードの共振ピークがどれかを、表示されている中心周波数をベースに判別します。
      12. 続けて、判別したTE011モードの共振ピークに計測器[ネットワークアナライザ]のマーカー1をセットし、中心周波数 f01【GHz】を目視で読み取ります。
      13. さらに続けて、判別したTE013モードの共振ピークに計測器[ネットワークアナライザ]のマーカー2をセットし、中心周波数 f02【GHz】を目視で読み取ります。
      14. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順5-viii.〜手順5-x. を参考に作業を行います。

        最後に、目視で読み取ったTE011モードとTE013モードの中心周波数を、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。続けて空洞の寸法の自動計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。
        * 一連の手順は、SUM-PLATE©と同じです。

      15. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った2つの中心周波数を手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      16. SUM-CYLINDERのクラウド空洞寸法計算処理 1

      17. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った【TE011モード中心周波数 [Center Freq. f01 (GHz)]、TE013モード中心周波数 [Center Freq. f02 (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      18. SUM-CYLINDERのクラウド空洞寸法計算処理 2

      19. 自動計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の右の部分に、空洞の直径【Diameter (mm)】と空洞の高さ【Height (mm)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。
        また、それぞれについて複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      20. SUM-CYLINDERのクラウド空洞寸法計算処理 3

      21. 以降の出力された空洞の寸法のデータを保存する手順は、SUM-PLATE©と全く同じです。"SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順5-xiv.〜手順5-xxii. を参考に作業を行います。
      22.  
        以上で、空洞の寸法のクラウド自動計算測定は完了です。
        ばらつき誤差[精度]を評価してさらに高精度に寸法の測定を行う場合は、上記手順を繰り返し実行します。

    8. また同様に、IEC国際標準規格の厳密解析計算アルゴリズムの引数の第2の基本パラメータである「当サンプルを装荷する前の状態のお手持ちの共振器の空洞[Cavity]の20℃における純銅に対する比導電率【σr@20℃】」を、
      正確に把握しておくことが絶対条件となります。

      * 遮断円筒導波管共振器の空洞の20℃における純銅に対する比導電率を把握する手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      * 当社の紹介を通じて購入された遮断円筒導波管共振器をご使用の場合は、
        先の手順にしたがって起動しているSUM-CYLINDER© 厳密解析計算ソフトのメニューから空洞の比導電率を自動計算するプログラム [Calc. Relative Conductivity for Empty Cavity] を選択起動して、
        自動計算により厳密に比導電率を測定することが可能です。したがいまして正確な純銅に対する比導電率値がご不明の場合は、以下の手順にしたがって、初回のみ比導電率を測定することが必要となります。

      * 当社の紹介を経由せず購入された遮断円筒導波管共振器をご使用の場合は、
        製造販売元のメーカーへお問い合わせの上、正確な空洞の純銅に対する比導電率値を調査入手し把握することが重要となります。
        万が一、お手持ちの遮断円筒導波管共振器の材料が純銅以外の金属(アルミ、真鍮 etc.)であったり、または製造販売元のメーカー側で空洞の20℃における純銅に対する比導電率値【σr@20℃】が把握されていない場合、
        残念ながらこの時点で「お手持ちの遮断円筒導波管共振器は、IEC標準規格外設計によって製造された高精度保証のない信頼性の低い共振器」と判定されます。
        製造販売元のメーカーより問題なく20℃における純銅に対する比導電率値【σr@20℃】を入手されましたら、そのまま 手順7.以降へお進み下さい。
      1. まず最初に、起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Relative Conductivity for Empty Cavity" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、空洞の比導電率の自動計算入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      3. SUM-CYLINDERの起動 3

        GUIが起動しましたら、先の手順5.で測定した空洞の寸法に関する基本パラメータを入力・設定して保存しておきます。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。

      4. まず始めに、【空洞の直径[Diameter (mm)]、空洞の直径の測定誤差範囲[delta D (mm)]】を、有効数字5桁以内の半角数字で入力します。
      5. 続けて【空洞の高さ[Height (mm)]、空洞の高さの測定誤差範囲[delta H (mm)]】を、有効数字5桁以内の半角数字で入力します。
      6. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      7. SUM-CYLINDERの基本パラメータ入力 2

        空洞の比導電率は、ネットワークアナライザ画面上に表示される空洞の TE011モードの狭帯域共振波形より目視で読み取る実波形データに基づいて自動計算されます。

      8. 空洞の寸法に関する基本パラメータの入力保存を終えましたら、
        まず始めに、計測器[ネットワークアナライザ]画面上に表示されているS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形上の、先の手順5.にてTE013モード共振ピークにセットしたマーカー2をクリアします。
      9. 次に、ネットワークアナライザを操作することによって、
        マーカー1がセットされている状態のTE011モード共振ピークを画面中央にセンタリングし、続けて画面中央に移動したTE011モード共振ピークのマーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。
      10. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順6-vi.〜手順6-vii. を参考に作業を行います。

      11. マーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、空洞の TE011モードの狭帯域共振波形を画面上に拡大表示します。
      12. 最後に、空洞の TE011モードの波形データ[挿入損失【IL】、中心周波数【GHz】、3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】、3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】]を目視で読み取ります。
      13. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順6-viii.〜手順6-ix. を参考に作業を行います。

        最後に、目視で読み取ったTE011モードの実波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。続けて空洞の比導電率の自動計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。
        * 一連の手順は、SUM-PLATE©と同じです。

      14. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      15. SUM-CYLINDERのクラウド空洞比導電率計算処理 1

      16. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全5桁以内の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁〜7桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      17. SUM-CYLINDERのクラウド空洞比導電率計算処理 2

      18. 自動計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の右の部分の上段には、現在の室温における空洞に使われている金属材料の純粋な金属材料に対する比導電率【Sigma (%)@20.5(℃)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が
        表示されます。
        それに対して、Measured Result 欄の右の部分の下段には、空洞の20℃における純銅に対する比導電率【Sigma (%)@20(℃)】の厳密な計算結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。
        また、それぞれについて複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      19. SUM-CYLINDERのクラウド空洞比導電率計算処理 3

      20. 以降の出力された空洞の比導電率のデータを保存する手順は、SUM-PLATE©と全く同じです。"SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順6-xiii.〜手順6-xxi. を参考に作業を行います。
      21.  
        以上で、空洞の比導電率のクラウド自動計算測定は完了です。
        ばらつき誤差[精度]を評価してさらに高精度に比導電率の測定を行う場合は、上記手順を繰り返し実行します。

    9. 次に、ご使用の遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法と比導電率が正確に把握できましたら、共振器に当平板サンプル[この場合、PTFE基板]を装荷します。
      * 定められた組み付け・装荷手順にしたがって、サンプルを共振器に確実にセットして下さい。
    10. さらに当サンプルを装荷した以下の状態の遮断円筒導波管共振器を計測器[ネットワークアナライザ]のテストポート1, 2 に接続し、
      続けて装荷したサンプル[この場合、PTFE基板]の、S21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる共振波形を画面上に表示します。
      * 測定周波数範囲は、f0[ご使用の遮断円筒導波管共振器のTE011モード中心周波数 (GHz)]- 50GHz ≦ f ≦ f0[ご使用の遮断円筒導波管共振器のTE011モード中心周波数 (GHz)]の広さの帯域を参考に設定して下さい。

      * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順8 を参考に作業を行います。

      遮断円筒導波管共振器の外観写真 2
    11.   
      そして最終的に、ネットワークアナライザ画面上のTE011モードの狭帯域共振波形より目視で読み取る実波形データを入力して、当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】を自動計算します。
      自動計算のための基本パラメータには、先の手順5.および手順6.にしたがって測定もしくは調査入手した「共振器の空洞の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」と「共振器の空洞の比導電率【σr@20℃】」を設定して用います。
      また、装荷した当サンプルの TE011モードの中心周波数【f0】は、自動描画プログラムによって描画するモードチャートを活用することによって容易に判別することができます。
      以降の手順へお進み下さい。

    12. まず始めに、以下の手順にしたがって、サンプルを装荷した状態のご使用の遮断円筒導波管共振器のモードチャートを自動計算して描画します。
      * モードチャートの自動描画を行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      1. 起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Mode Chart for Dielectric Plate Loaded Cylinder" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、サンプルを装荷した状態の遮断円筒導波管共振器のモードチャート自動描画入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。
      3. GUIが起動しましたら、モードチャートの描画設定に関する基本パラメータを入力します。
        * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。
      4. まず始めに、モードチャートX軸の描画設定ブロック "Select X axis" に、【比誘電率[Ea]】が選択済みであることを確認します。
      5. 続けてご使用の遮断円筒導波管共振器の空洞寸法の描画設定ブロックに、先の手順6.にしたがって設定保存した【空洞の直径[Diameter(mm)]、空洞の高さ[Height(mm)]】が継承されて既に入力済みであることを確認します。
      6. さらに【装荷した測定試料(サンプル)の厚さ寸法[Thickness(mm)]】の描画設定ブロックに、先の手順2.にしたがって測定した当サンプルの5点厚さの平均値を有効数字4桁の半角数字で入力します。

      7. SUM-CYLINDERのクラウド試料モードチャート自動描画 1

      8. 次に、モードチャートX軸のサンプル推定比誘電率の有効範囲の設定ブロック "Set Xaxis Ea" に、【下限の比誘電率値[Min]、上限の比誘電率値[Max]、スケール[Div]】をそれぞれ有効数字2桁以内の半角数字で入力します。
        * 当ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の比誘電率は、公知の範囲として2.0〜2.1の間であると推定されます。
      9. またモードチャートY軸の 測定周波数範囲の有効範囲の設定ブロック "Set Yaxis F0" に、【下限の中心周波数値[Min]、上限の中心周波数値[Max]、スケール[Div]】をそれぞれ有効数字2桁以内の半角数字で入力します。
        * 描画するモードチャートは、先の手順8.によりネットワークアナライザ画面上に表示している当サンプルの広帯域共振波形と常に見比べながら活用するため、30GHz〜80GHzのネットワークアナライザ測定周波数範囲と同じに設定します。
      10. 全てのパラメータの入力を終えて、最後にCALCULATION ボタンをクリックすると、モードチャートが自動描画されます。

      11. SUM-CYLINDERのクラウド試料モードチャート自動描画 2

        SUM-CYLINDERのクラウド試料モードチャート自動描画 3

    13. 次に、以下の手順にしたがって描画されたモードチャート曲線を目視参照して、先の手順8.にしたがってネットワークアナライザ画面上に表示している当サンプルのS21 透過(伝送)特性の広帯域にわたる実波形上の複数共振ピークの中から、
      TE111モード(一番下の部分に描画されている最低次の曲線)および比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】の自動計算に実波形データを用いるTE011モード(赤線で描画されている曲線)の共振ピークを判別します。
      判別した画面上のTE111モード共振ピークの中心周波数【f0】に基づいて当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】が推定でき、またおおよその比誘電率【εr, Dk 】に基づいてTE011モードの中心周波数【f0】を
      モードチャートとネットワークアナライザ画面を見比べることによって可視的に判別することができます。
      * 遮断円筒導波管共振器を用いて当サンプルのTE111モードおよびTE011モードの共振ピークを判別する手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      1. まず始めに、モードチャート上の最低次TE111モード曲線のY軸中心周波数【f0(GHz)】範囲とネットワークアナライザ画面上の各共振ピークの各中心周波数とを見比べて、
        いずれのピークが当サンプルのTE111モード共振ピークであるかを判別します。続けて、判別したTE111モード共振ピークに、ネットワークアナライザのマーカー1をセットします。
      2. TE111モードの中心周波数【f0(GHz)】の有効数字6桁を、目視で読み取ります。
      3. 読み取った中心周波数を基にモードチャート上の最低次TE111モード曲線のY軸を目視して、モードチャートX軸から当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】の値を推定します。
      4. 次に、当サンプルのおおよその比誘電率【εr, Dk 】に基づいてモードチャート上のTE011モード曲線(赤線)のY軸の数字を目視して、
        ネットワークアナライザ画面上のTE011モード共振ピークの中心周波数【f0(GHz)】を推定し、いずれのピークが当サンプルのTE011モード共振ピークであるかを判別します。
      5. 続けて、判別したTE011モード共振ピークに、ネットワークアナライザのマーカー1をセットします。
      6. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順10-i.〜手順10-v. を参考に作業を行います。

        PTFE試料モードチャート

      7. 次に、ネットワークアナライザを操作することによって、
        マーカー1がセットされている状態の当サンプルのTE011モード共振ピークを画面中央にセンタリングし、続けて画面中央に移動したTE011モード共振ピークのマーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めます。
      8. マーカー1を中心に周波数スパンおよび挿入損失【IL】を狭めることによって、当サンプルのTE011モードの狭帯域共振波形を画面上に拡大表示しておきます。
      9. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順10-vi.〜手順10-vii. を参考に作業を行います。

      いよいよ、当サンプルの平面(横)方向のミリ波帯誘電特性データの精度と確度の見直しと評価作業の最終段階に入ります。
      以下の手順にしたがって、SUM-CYLINDER© 厳密解析計算ソフトの複素比誘電率解析計算プログラムを使って当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】のクラウド解析計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。

    14. 前述の通り、当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】のクラウド解析計算処理は、
      先の手順5.および手順6.にしたがって測定もしくは調査入手した「遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法【直径 D(mm)、高さ H(mm)】」および「遮断円筒導波管共振器の空洞の比導電率【σr@20℃】」の
      基本パラメータに基づいて実行されます。
      まず始めに、以下の手順にしたがって各基本パラメータを入力・設定して保存します。
      * 入力・設定の手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      * 連続する各セルへ入力する際は、"マウスクリック → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返すのではなく "tabキー → 次セルへ移動 → 入力" を繰り返して作業する方が、すばやく楽に連続入力できます。
      1. 起動しているMENU[測定メニュー]の中から、"Calc. Complex Permittivity for Dielectric Plate" ボタンをクリック選択します。
      2. 続けてSTARTボタンをクリックし、解析計算処理の入出力操作用GUIのポップアップウインドウを起動します。

      3. SUM-CYLINDERの起動 5

      4. GUIが起動しましたら、先の手順5.にしたがって設定保存した【現在の気温[Temp.(℃)]、現在の湿度[Moisture(%)]、使用する共振器の名前[Cavity Name]】
        および手順6.にしたがって設定保存した第1の基本パラメータである使用する遮断円筒導波管共振器の空洞の寸法
        【直径[Diameter(mm)]、測定誤差範囲[delta D (mm)]、高さ[Height(mm)]、測定誤差範囲[delta H (mm)]】が、継承されて既に入力済みであることを確認します。
      5. 続けて第2の基本パラメータである空洞の20℃における純銅に対する比導電率【Sigma (%)@20(℃)】を、有効数字3桁の半角数字で入力します。
        また、測定誤差範囲【delta Sr (%)】は±3% が許容限界となりますので、半角数字3を入力します。
      6. さらに第3の基本パラメータである当サンプルの任意の名前 【[Name]】および先の 2.の手順にしたがって測定しておいた当サンプルの寸法
        【1辺の長さ [Diameter (mm)]、測定誤差範囲 [delta D (mm)]、5点の厚さの平均値 Height (mm)、測定誤差範囲 [delta H (mm)]】を、有効数字4桁以内の半角英数字で入力します。
      7. 最後に、UPDATE ボタンをクリックし、正しく入力した基本パラメータの設定を保存しておきます。
        * これにより以降の繰り返し解析(再)計算処理において入出力操作用GUIを起動する度に、保存した正確な基本パラメータは自動的に呼び出されて表示されます。

      8. SUM-CYLINDERの基本パラメータ入力 3

    15. 次に、先の手順10.にしたがってモードチャートを使って共振ピークを判別しネットワークアナライザ画面上に拡大表示している
      当サンプルのTE011モードの実波形データ[挿入損失【IL】、中心周波数【GHz】、3㏈帯域幅の高い周波数【GHz】、3㏈帯域幅の低い周波数【GHz】]を、目視で読み取ります。
    16. * "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順12 を参考に作業を行います。

    17. そして、先の手順12.にしたがって目視で読み取った当サンプルのTE011モードの実波形データを、以下の手順にしたがって入出力操作用GUIの下部ブロックに入力します。
      続けて当サンプルの平面(横)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の解析計算処理を実行し、出力されたデータを保存します。
      * 遮断円筒導波管共振器を用いて当サンプルの比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の解析計算処理を行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      1. DATA IN ボタンをクリックし、目視で読み取った波形データを手入力するための "Data Input" ポップアップウインドウを起動します。

      2. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 1

      3. "Data Input" ポップアップウインドウ内のテキストボックスに、
        読み取った波形データの【挿入損失 [I.L. (dB)]】を、全4桁の半角数字(−記号抜き)で入力します。
        続けて【中心周波数 [Center Freq. (GHz)]、3㏈帯域幅の高い周波数 [3dB Freq. High (GHz)]、3㏈帯域幅の低い周波数 [3dB Freq. Low (GHz)]】を、
        有効数字6桁の半角数字で入力します。
        全て入力し終えましたら、最後にOKボタンをクリックします。

      4. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 2

      5. 解析計算処理が完了し、
        Measured Result 欄の中段に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の概算値の結果が表示されます。
        また、それぞれ複数回の測定・解析計算結果の間でのばらつき誤差[精度]が表示されます。

      6. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 3

      7. 以降の出力された当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】の概算値データを保存する手順は、SUM-PLATE©と全く同じです。
        "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順13-iv.〜手順13-viii. を参考に作業を行います。
    18. 最後に、以下の手順にしたがって当サンプルの平面(横)方向の比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析計算処理を実行し、出力された高精度データをレポート形式で保存します。
      * 遮断円筒導波管共振器を用いて当サンプルの比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析計算処理を行う手順は、SUM-PLATE©と同じです。
      * 誘電特性データの精度面での品質を低下させる要因となっている共振器の励振孔もしくは試料(サンプル)挿入孔の寸法分の影響による誤差を補正して、
        以下の手順により比誘電率【εr, Dk 】と誘電正接【tanδ, Df 】を厳密解析計算処理することは、IEC国際標準規格準拠レベルの高精度測定を実施する際の絶対条件となっております。

      1. 先の 13.の手順にしたがって解析計算処理した概算値の結果が表示されている状態で、入出力操作用GUIの下部ブロック Precise Calc. 欄の CALC ボタンをクリックします。

      2. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 6

      3. 厳密解析計算処理を開始することを知らせるためのポップアップウインドウが表示されます。OKボタンをクリックします。

      4. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 4

      5. 厳密解析計算処理が完了するまでに、20秒〜1分程度の時間を要します。 しばらくお待ち下さい。
        厳密解析計算処理が完了し、Precise Calc. 欄に、比誘電率【εr 】と誘電正接【tanδ】の厳密解析値の結果[より確度の高い結果データ]が表示されます。

      6. SUM-CYLINDERのクラウド複素比誘電率計算処理 5

      7. 以降の出力された当サンプルの比誘電率【εr】と誘電正接【tanδ】の高精度データを保存する手順は、SUM-PLATE©と全く同じです。
        "SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順14-iv.〜手順14-vii. を参考に作業を行います。

      以上で、クラウド解析計算処理によるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基板のTE011共振モード誘電特性の精度と確度の見直し作業は完了です。
      * したがって、当測定環境下(室温20.5℃)における当PTFE基板サンプルの75GHz帯における平面(横)方向誘電特性の国際標準データは、
        比誘電率【εr, Dk 】=2.0482 誘電正接【tanδ, Df】】=0.000477 となります。
        尚、「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は等方性の誘電体材料[Isotropic dielectric material] である」ことが既に実証され、世界的に広く認知されております。
        また一方で、「PTFEは室温20℃付近に物質の相転移[Phase transition]による誘電特性の急峻な変曲点が存在する」ことが既に実証されております。

       
      必要に応じて他の共振周波数帯の遮断円筒導波管共振器のTE011共振ピークを判別し、2.以降の手順を繰り返してクラウド解析計算処理を実行します。
      そして、当解析計算クラウドサービスをさらに上位レベルの平面(横)方向の誘電特性解析支援ツールとして最大限に有効利用してゆくために、
      保存した国際標準規格の高確度データと過去の測定において収集・蓄積したデータとの比較と見直しチェック (C) → 現状の誘電率測定システムにおける問題箇所の明確化と課題検討 (A)
      → 解決プランの明確化および立案 (P) → 解決プランの実施 (D) による、クラウド解析計算処理サイクルを回してゆきます。
      特に、PTFEなどの基板サンプルは、室温20℃付近に物質の相転移[Phase transition]による比誘電率【εr, Dk 】と 誘電正接【tanδ, Df】の変曲点が存在することが世界的に広く知られており、
      IEC国際標準規格に準拠した高精度測定法に基づく厳密解析計算クラウドシステムの利用によって、
      測定環境に応じて気温[Temp.(℃)]に関する入力データを変えながら予めサンプル装荷前の空洞の寸法および比導電率を温度変化毎に解析計算しデータ保存しておき、
      これら空洞の熱膨張の度合いに応じて各温度毎に異なる基本パラメータを用いて基板サンプルの比誘電率【εr, Dk 】と 誘電正接【tanδ, Df】の解析再計算処理を正確に行い
      過去に測定した誘電特性の温度依存性データの抜本的な見直しチェックを行うことが、高温での使用を想定した電子デバイスの信頼性を保証する際に極めて重要となってまいります。

  4. 測定モード判別ミスや標準規格外設計の共振器を使用した場合に出力される「解析計算処理エラー判定」の見方 / 解析計算結果データの検証方法に関するお問い合わせ
  5. * 「解析計算処理エラー判定」の見方は、SUM-PLATE©と同じです。"SUM-PLATE© による解析計算手順" のガイダンスページの、手順 Ⅲ. を参考にエラー判定の原因を検証します。

    1. IEC国際標準規格の高精度測定法におきましては、
      ご使用中の計測器の正確さと共振器の信頼性の検証 → 測定に用いる共振モードの波形ピークの正確な判別 → サンプルの平面(横)方向の誘電特性データの精度と確度の見直し の一連の作業について、
      国際的に取り決められた基準であるモードチャートに基づいて可視的に判断し正確で信頼性の高い判定が行える点が、最大のキーポイントとなります。
      「解析計算処理エラー判定」が出力される場合、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
    2. 1以上の比誘電率【εr, Dk 】値と正の誘電正接【tanδ, Df 】値が出力され「解析計算処理エラー判定」はされていないが、
       解析計算結果データの正確さについて比較見直しチェックする方法が不明な場合は、当社技術サポート窓口までお問い合わせ下さい。
       標準試料(サンプル)と比較見直しチェック用の標準測定データを、リーズナブルな価格にてご提供することが可能です。